木曜
プレゼンの集まりやらゼミの写真撮影やらがあって昼過ぎに登校。早い時間に登校すると多くの知り合いに会うようで、様々な人達を久々に見た。くっちゃべったあと授業に二つ出て、その後学校近くで五限の授業がらみの実験。視覚や嗅覚を騙したり遮断したりして飲み物を飲むと、味の感覚が変わるかどうか、みたいな。食紅で色を変えた牛乳からは単に一種の違和感、気持ち悪さを感じただけだったが、三種類の紅茶をそのまま飲んだ場合と、鼻をつまんで飲んだ場合とでは、なぜか味覚にも大きな違いを感じた。不思議。匂いは風味に対して影響を与えている部分が思ったより多いのかもしれない。結論としては五感はそれぞれ独立しているようでいて互いに絡み合っているし、ある場面で、例えば嗅覚など、ある感覚だけに注意が払われていると自分では思っていても、実際にはその他の感覚から受ける情報も、無意識に取り込まれている云々、といった話になるのかな。厳密に対照実験をやろうとなると色々と面倒なのでそんな感じでお茶を濁しておこう。
実験後そこでそのまま夕食も食べた。生春巻き、炒飯、韓国風さつま揚げの入った炒め物など、エスニック系中心。うまかった。しばし歓談後西千葉の後輩宅へ。多くの女子に囲まれつつ、全く、完膚なきまでに無意味な話を延々とし続けた。いい加減、一人でしゃべりすぎるのは直した方がいいのかもしれないが、なかなかそううまくはいかないもんだ。大人数でいる場合なんかは、特に沈黙が場を支配した状態で長時間耐えられないところがあるのは自覚しているんだけども、なんとも。せめて他の誰かに話を振るなり、人が話しはじめたら聴くなり、そのぐらいは出来るようになりたい。朝まで喋り、自分以外全員が眠りについたことを確認したのち、自分も寝た。下手したら、一日で三月一ヶ月ぶんぐらい喋ったような気がする。気のせいでもなんでもなく。極端は良くない。

金曜
朝起きてコンビニで買った三色弁当を食し、帰路に。昼頃帰宅し、就寝。夕方起きる。
ルビッチ「生きるべきか、死ぬべきか」とユーロを観た後、終電前ぐらいから友達と下北沢へ。eeteeというイベントに行った。昨日に続き何名か、しばらく見ていなかった顔と再会した。ずっと観たかった、真保タイディスコを初めて観る事ができた。こちらの想定の範囲をはるかに超えてくるトバしぶりで、爆笑するとともに、感動した。エンターテイナー性がある人は、とにかく好きだ。また是非観たい。朝方帰宅。

土曜
昼過ぎに起きる。特に予定無し。外は雨。ということで久々にダラダラ。夕方、二度寝寸前でまどろみながらだらだらと読書していた時間、なかなかの多幸感を感じた。本当は小説を色々とがしがし読んでいきたいのだが、聖書を比較的真面目に精読しているため他に回す時間がなかなかとれない。おまけに、ドゥルーズ読みも再開してしまったし、ユーロも佳境ということで、結局まるで読めていない。まあいいけど。夕方からはナンバーやらサッカーマガジン読んで、ユーロをまとめ観したりと、脳味噌が腐った感じで過ごした。トルコの逆転の仕方にはさすがにびっくり。
夜は珍しく家族が誰も家にいなかったため、一人で外食。近所の醤丸というラーメン屋へ。本当は赤目黒というラーメン屋に行こうと思っていたのだが、なぜかたまたま休業で、その時点で脳と胃が完全にラーメンを食べるモードになっていたので、さてどうしようと考えた時に、友達から以前すすめられたことをふと思い出したので、行ってみた。会社員として働いていたおっさんが定年後に修行して開いた店らしかった。入ってみると、常連さんと思しき家族連れが来ており、僕のラーメンが運ばれてくるのとちょうど入れ違いで会計を済ませた親子の、息子のほうが店主に向かって嬉しそうに就職の報告をしていた。一瞬の、ほんの短い会話であったが、それに対する店主の受け答えの物腰の柔らかさには、とても好感を持った。不意にこういう場面を見かけると、なぜか嬉しくなってしまう。ラーメンはとんこつ系の優しい味で、なかなか好み。一緒に頼んだ角煮めしも美味。また来ようと思った。帰宅後、「マルタの鷹」を観て、entaxiの磯崎新が表紙の号をぱらぱら眺めて、寝た。石丸元章氏の、深夜タクシーのルポの記事が最高だった。痺れた。最新号の小説も読み応えあったし、この人の文章は好きかも。正確には文章の端々から立ち上ってくる筆者の生き様、佇まいに痺れるわけだけども。

日曜
昨日に引き続き特に予定無く、雨強く、ということで、家でだらける事に。ドゥルーズの本があまりにも頭に入ってこないので、小泉義之氏の「ドゥルーズの哲学」を再読。それで大まかなイメージをつかみなおし、再度挑戦。ただ、それでも難しい、やはり。まあ修行だから我慢だ。加えて、スクエアに行き、聖書、slaughter house5など読む。
やはり極端は良くない、と再び。というのも、二日ほど集中的に読書しただけでも、自分の場合、集中が保てず、なかなか内容がクリアに頭に入ってこなくなる時間が増えてしまう。これは体質および集中力の限界、というのが絡んでいるんだろうが、とにかくいずれにせよ、様々な面でメリハリをつけることである程度改善は可能なはずなので、そこは上手くやりたい。具体的には今年四月までに顕著だった流れとして、後頭部が重たい感じ、頭の一部だけを使っている感じ、首の両脇の疲労感、頭がなんとなくキリキリ痛む感じ、などが感じられてくると、完全にオーバーヒート。おでこを触っても、触られている感じがあまりしなくなってしまう。調整法としては、手っ取り早いのはタバコ+コーヒーのコンボなんだろうが、それ以外をなんとか開発したい。整体の技術を応用した体操を短めでも良いからこまめに挟む、とか。一番いいのは軽い運動なんだろうけど、なかなかそのへんはめんどくさがりが治らず、上手くいかんところだ。五感に気を配りつつ小一時間散歩するのがいいかな、と思うのでユーロ終わったら早起きしよう。
夜は日本代表戦、ユーロ、ウイイレ、とバカの一つ覚えのようにブラウン管でサッカー映像を観ていた。決勝トーナメントに入ってなお、ロシアのサッカーは素晴らしい。とにかくサイドから、人数を多くかけて崩す事を根気よく徹底する姿勢には、日本代表が見習うべき点が沢山あるはず。

月曜
プレゼン関連で昼過ぎに登校。四、五限に出る。五限は映画の撮影技法の話、よく言われるショット、切り返しショットの話なんかをしっかり学べたのは良かった、と思う。授業でヌーヴェルバーグあたりが、当時成立してきたハリウッド映画の文法への批評となっていた、ということが言われていたが、そもそも批判するには、その体系を熟知している必要がある、ということで今更ではあるが名画をもっと観て、形式的な特徴を把握していく必要も、短期的に、とはいえあるような気がしてきている。学生のうちは古いのしか観なくていいや、もう。あと200本ぐらいは観たい。無理臭いが。今日は珍しくユーロがないのに、こんな日記を書いていたら六時前。結局ユーロ観ているのと同じ時間になってるっていう。もっと書く事あった気がするが続きはまた、ということで寝る。

土日つながらなかったネットを久々に長時間。さやわかさんのice9というサイトの過去ログを全部読んだ。
http://d.hatena.ne.jp/ice9/20060606
このエントリはいいこと言ってるなあ。去年の秋の対話を思い出した。自分の中ではこれが結論、って気がする。結局これが「愛は負けても親切は勝つ」ってことだろうし。それが実は転移関係からの撤退でストア派的なのかも、といった話についてはもっと考えたいが、それはそれとして、結論は動かない。全てが相対化された後で尚相対化されないのは、ここだけだろう。
私的なレビューにしろ、批評にしろ、これからは、分析が的確に成されているか、といった視点よりもその人の作品に対する愛情、情熱が根底に見えるようなものが読みたいし、書かれるべきだろうと思う。

火曜
昼過ぎに起きて、大崎へ。男10人でフットサル、二時間ほど。疲れた。相変わらず自分の下手さ加減には驚いた。終了後はメンバーの二人と三人で目黒へ流れ、あんあんという安い焼肉屋へ。共通のエキセントリックな知人の陰口を肴に酒を呑む。どこのコミュニティにも、絶好の酒の肴になるようなエピソードを多数持っている猛者、というのが必ず一人や二人はいるもんだ。不思議と。本当はそういう人の話題にばかり流れるのはあんまり好きではないんだが、まあ場の流れもあって、仕方なしに。とか言いつつ爆笑しながら聞いた。帰宅後ツタヤに借りたCDをひたすら取り込み。これから映画観て寝る。