2007-07-01から1ヶ月間の記事一覧

曾根中生 天使のはらわた 赤い教室

全体を貫く赤のイメージ 暴力的に愛を貪りあう様子 ナミの鋭い眼光 あたりが印象に残った。 酔っ払いがナミを宿に連れ込むシーンや、他にも何度か出てきたカメラをいじって特殊効果を出しているところはいまいちだった。

ジェーン・スターン マイケル・スターン 悪趣味百科

文章がうますぎる。 この本の文体を真似てパロディ化できるぐらいになりたいもんである。

鈴木則文 温泉みみず芸者

完璧。神がかってた。 中盤、金づるの男がケイコのタコツボにはまって腹上死、という流れを二度繰り返すところと、ラストの三番勝負が中でもよかった。 池玲子、杉本美樹のデビュー作らしい。

喜劇 駅前温泉

もうちょい刈り込めると思う。さすがに。 百分ぐらいでかなり長く感じたというのは、尺の問題以外にも演出の冗長さなんかが絡んでのことのような気もするが。

エドワード・ヤン ヤンヤンの夏休み

ツァイ・ミンリャン 河

福島聡 六番目の世界

初期短編を中心とした未発表作品集。「空飛ぶアオイ」にしてもそうだけど、初期はドタバタ喜劇的な展開が得意だったようだ。やたらと主人公が動き回る感じの作品が多い。そこからだんだんと幅を広げて、深みのあるドラマを盛り込んだ作品も書くようになって…

オスカー・ワイルド サロメ

サロメの見事なSぶりに心酔した。

石井隆 GONIN

やはりヤクザものとやおいは相性が良いみたいだ。それぞれが孤独な一人の人間として向き合う、馴れ合いとは無縁の関係性の中に、ふとしたタイミングでウエットな感覚が入り込んでくるところが、どうにも琴線に触れる。なんなんだろうかこの感じは。 男の仁義…

花のお江戸の無責任

クレージーキャッツの映画ははじめて観た。 植木等の偉大さを痛感。お調子者の役がこんなに似合う人は他にいるのだろうか。 ツボを押さえた演出に笑いが止まらなかった。終盤の、敵を滑らせようと屋敷中に油をこぼしたところ、全員すべってしまい大騒動、と…

安部公房 箱男

殿山泰司 三文役者あなあきぃ伝 上

志ん生 宮戸川 談志 風呂敷 志ん朝 真田小僧 干物箱

深沢七郎 「破れ草紙」に拠るレポート 和人のユーカラ いろひめの水 花に舞う 変化草 いやさか囃子 報酬 ラブミー農場の予言者だより サド人との聖約

いろひめの水、いやさか囃子、ラブミー〜あたりが好みだった。

沼正三 家畜人ヤプー1

非常に衒学的。ちょっとインテリ臭がきつすぎる感じがした。一巻の段階では。 説明的な箇所が多すぎて話があんまり進まないし、プロットには特に何のひねりもないので、結局はアホすぎる造語の語源説明やイース人の生活ぶりぐらいしか楽しめるポイントがない…

岩井俊二 花とアリス

映画としてはひどかったけど、蒼井優が可愛く映っていたので彼女のPVとしてはまあよかったんじゃないかと。

岩井俊二 リリイ・シュシュのすべて

なぜもてないのか論理的に突き詰めて考えてみたところ、岩井作品を見ていないからだという結論に達したので、久々に早稲田松竹まで、二本立てを観に行ってきた。好きな歌手の歌詞なんかに、内面的な不安を過剰に投影してしまうというのは、まあ中学生ぐらい…

デイビッド・リンチ DUNE 砂の惑星

ひどかった。最低。ストーリー展開はいたって平凡でリンチ的なひねりは皆無。 敵キャラの男爵は、吹き出物だらけのデブで常に空中に浮いている、というワケわからん設定でなかなか味があったが、面白かったのはそこぐらい。エンドロールでスティングが準主役…

町田康 供花

第一詩集の文庫版。 すごかった。どこがどうすごいのか、全く説明できる自信がないが、強いて言うなら、古い日本語と新しいカタカナ言葉との組み合わせのセンスなのかなあ。もちろん現代的なところもあるんだけど、そこに終始しているわけではないところが最…

ジョルジュ・バタイユ 空の青み

いまいち乗りきれず。最後の墓地の上で土まみれになりながらダーティと事に及ぶ場面はなかなか悪くなかったが、他がどうも。革命とか思想とかいう単語がやたらめったら出てくるとどうしても冷めてしまう部分がある。あとはやはりキリスト教的なバックボーン…

マイク・ニコルズ 卒業

ダスティン・ホフマンの絵に描いたような童貞臭さにまず爆笑。髪型といい、挙動といい完璧。童貞特有のやたらとそわそわして落ち着かない部分を誇張した演技もよかtった。最初にロビンソン夫人に筆下ろししてもらうところのひどさたるやもう、すさまじかっ…

漫画太郎 ハデーヘンドリックス物語 つっぱり桃太郎 〜5

ハデヘン お得意のミニマルもの。いまいち。つっぱり桃太郎 一度通して読んでる気もするが、よく覚えていない。連載時に読んだのかも。 これも五巻まではそこまでおもしろくなかった。いかに原典を無視していくか、ってとこでそこまで笑えず。題材はもはやネ…

吉田秋生 バナナフィッシュ

三日ほどで全十九巻を一気読み。読み出すと止まらなくなってしまうような緊迫感があった。最初から最後までほとんど弛緩することなく一定レベル以上の緊張感を持続させる、ってのは凄いと想った。何よりも面白いのは、マフィアもののハードボイルドな男の世…

IWGP 永田VS真壁

美しい嘘新日IWGP 永田VS真壁を観た。久々にプロレスの真髄に触れたような気がした。まず入場前の煽りVTRが非常に良い出来。エリート・永田と雑草・真壁というわかりやすい対立軸の強調。真壁がヒールという「居場所」を手にするまでの軌跡がわかりやすく示…

タモリ

CD作品「タモリ」を聴いた。躁病ナンセンス主義の一つの到達点。 アフリカ民謡「ソバヤ」は中でも最高。笑いが止まらなかった。 全体を通して、その後の「つぎはぎニュース」や「空耳アワー」につながる部分を強く感じた。

阿佐田哲也 麻雀放浪記3

相変わらず痺れる勝負の連続には息をのまされるんだけど、その一方で、世相の移り変わりに伴って環境が変わっていき、博打打ちにはなんとも生きづらい世の中になっていく、その様子を描いた部分がなんとも悲しい。最後のほうでチンチロ時代の仲間チン六さん…

福田和也 悪女の美食術

ロラン・バルト 物語の構造分析

Outsider Art 2

ヘルムートニュートン写真集