2007-10-01から1ヶ月間の記事一覧

天久聖一・タナカカツキ 「バカドリル」

もはや古典。長期的な視点で見ると、言葉でつくる笑いより絵でつくった笑いの方が生き残っていくんだろうな、とか思ったり。言葉なしとはいわないまでも、絵と組み合わさってないと厳しい気がする。 追記 上の言いかたは変だな。面白いから消さずに残すけど…

ジョン・クレランド ファニー・ヒル

吉田健一大先生の翻訳。こんな日本語を書けるようになりたいもんだ。一つの理想。 限りなく過激な内容を、品格を一切失うことのない、香気をたたえた美しい日本語で書き表す。官能的な女性のような文章。 尊敬する。

片山洋次郎 整体から見る気と身体

人生の教科書。繰り返し何度も読むことになるだろう。一回診察は受けてみたい。 大学に呼んでゲスト講義してもらいたい。

http://www.k-hosaka.com/kashimura/sutoa.html 「ストア派とアリストテレス・連続性の時代」以下引用。アリストテレスがいまだ観劇者の場から劇を考察したのに対し、マルクス・アウレリウスにとって悲劇とは即観劇の行為であり、それを物のように外側から考…

LOVE PHANTOM B'Z

B'zのピーク時の曲に関しては大体に当てはまることですが、この曲にもかなり宗教音楽っぽい要素が見られます。明らかに、冒頭一分以上のオーケストラパートが、非常に賛美歌的なニュアンスを持っている気がします。 ただ、宗教的な雰囲気は松本のむせび泣く…

しりあがり寿 ゲロゲロブースカ

久々の終末もの。露骨に分かりやすすぎるエディプス関係に物語を回収しようとしたようにしか感じられなかったエピローグだけはやや納得いかなかったが、そこまでの展開はすさまじかった。ヤジキタを越えたかもしれない。とにかく惚れた女を大事にして、結婚…

 モノ化する自分

最近になって、どうやら自分がかなりの敏感肌らしい、ということに気がついた。そこで今日は入浴中、あまり力を入れすぎないように気をつけながら身体を洗ってみた。すると不思議なことに、自分の身体が食器のように感じられた。こちらも最近になってのこと…

 愛は負けても親切は勝つ

今日、夜風呂上りにテレビをつけたら、たまたま、「爆笑問題のニッポンの教養」をやっていて、斉藤環が太田とヴォネガットについて語り合っていた。http://www.kojinkaratani.com/criticalspace/old/special/saito/bungaku0202.html この文章にも書かれてい…

鶴瓶のらくだ

歌舞伎座まで、「鶴瓶のらくだ」を観に行ってきた。マクラを兼ねたフリートークに始まり、私落語「青木先生」「オールウェイズお母ちゃんの笑顔」と来て、最後は師匠松鶴の十八番「らくだ」で締める、休憩なし二時間半強の圧巻の公演。ここからはネタバレ。

石井隆 「天使のはらわた 赤い眩暈」 

この人の映画は、まあどれも同じ症候の反復、って感じなんだろうけど、多少自分と誓いところがあるから好き。嫌いな人は嫌いだろうな。美学的な部分はいまいち好きになれん。カメラワークの癖とか。色使いとか。漫画家出身だからそのへんの感覚も鋭敏なんだ…

ニコラス・ローグ 「地球に落ちて来た男」 The Man Who Fell To Earth

なんといってもボウイの怪演はすごかった。彼なしではこの映画は成立しなかっただろう。意味不明なシーンの数々に魅せられた。ボウイが元彼女と卓球するシーン、テレビを十台ぐらい同時に観るシーン、銃の空砲を鳴らし続けながらセックスするシーンなんかが…

大林宣彦 「転校生」

主演の女優を脱がせているあたりが、この人の真骨頂なのかな。まあまあ面白かった。 「おれがおまえでおまえがおれで」ってのは語感が面白いなあ。 桂正和大先生の「どこかでなくしたあいつのアイツ」みたい。

バフティヤル・フドイナザーロフ 「少年、機関車に乗る」

ロケ地が良すぎ。ずるい。そういう意味では嫉妬した。それが蓮見氏が言うところのリュミエール兄弟以降の映画における動く列車のなんたらかんたらで、このフィルムに嫉妬すべきである、というのと関係あるのかどうかは微妙。場所と同様、映っている人間も魅…

エルンスト・ルビッチ The Shop Around The Corner

よく出来てる。超一級品の娯楽映画。まあ古典中の古典だから当たり前か。 ルビッチ・タッチがなんなのかはよくわからず。まああんま興味ないしどうでもいいけど。

片山洋次郎 「整体。共鳴から始まる 気ウオッチング」

一人上手く共鳴できそうな人と実験してみたら、本当に指一本触れずに冷たくなったり温まったりしてびっくりした。これはすごい本。この人が「オウムの身体」を書いているのは偶然ではない。

マイケル・マン 「マイアミ・バイス」

ものすごい金がかかってるらしい。豪華な娯楽映画。キメキメのカメラワークがカッコよかった。乗り物がらみのシーンは特にかっこよかった。かっこよかった。かっこ。 コン・リーは好みじゃないなあ。アメ人には受ける顔なんだろうか。本国で大女優らしいが、…

ネビル・シュート 「渚にて」

年とったらもう一回読みたい。パンを焼きながら待ち焦がれている、やってくるときを待ち焦がれている、ってやつですね。メメント森!(元総理)

マルクス・アウレリウス・アントニウス 「自省録」

影響を受けた本を五冊あげろ、と言われれば入る。三冊でも入るかな。「スローターハウス5」、「臨済録」、あとこれ。 学校は道徳の時間にくだらない授業をするのをやめてこれを読ませるべきだと思う。理解できる奴が増えればいじめとかなくなるだろうし。

チャールズ・チャップリン「チャップリンの殺人狂時代」

「処女監禁」

「スパルタの海」

「ビューティーペア 真っ赤な青春」

シルベスター・スタローン「ロッキー・ザ・ファイナル」

素晴らしいプロレス映画でした。前半のおセンチ具合が最高。 最後はまあご愛嬌。次はランボー・ファイナルをよろしく!

チェブラーシカ

悪者が一人も出てこないところがいい。落語っぽい。ワニとおばさんがいい味出しすぎ。チェブラーシカの可愛さは異常。

ラス・メイヤー「スーパーヴィクセン」

吉田豪「元アイドル2」

アイドル時代に精神を病むことのなかった、健康な女性達を選んで、当時の話を聴いたインタビュー集。どうすれば精神の健康を保てるか、という観点から見ると特に松本伊代の例なんかが参考になった。

保坂和志「言葉の外へ」

樫村晴香氏との対談部分だけ読んだ。自閉症−神経症の二項対立関係が非常に興味深かった。天才−秀才の関係と近いのかな。よくわからん。とにかく現時点で自分が彼の文章に転移していることは間違いない。何年かして読み直したら印象が変わりそうな文章だった。

アントニオ猪木「猪木詩集 馬鹿になれ」

ひどい。ペールワン戦についての詩の嘘つき具合なんかは彼らしくて素敵だし、「冷蔵庫の納豆食べちゃってごめんね」って部分は笑えたけど。

おおひなたごう「俺に血まなこグレートREMIX」「遺伝子レベル剣」

なんというか、独自の味がある人だと思う。個人的には波長がかなり合うので大好き。現役のギャグ漫画家では、趣味にあうという意味では一番かも。この人は、テレビばっか観てる優しい人、って感じがする。優しい笑いは大好き。寝る前に読むのにいい。

天久聖一「お前」

ぼーっとしてるときの頭の中で渦巻いているものをそのまま漫画にしてしまった感じ。 圧巻。この人は、常に作品として成立するギリギリのラインで勝負している感じがする。