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斉藤環 解離のポップスキル

モリエール ドン・ジュアン

益若つばさ つばさイズム

スラヴォイ・ジジェク 脆弱なる絶対 キリスト教の遺産と資本主義の超克

新宮一成 ラカンの精神分析 再読

一章 症例エメ 人間の根源的な攻撃性が、自と他の同一化の領域にこそ潜んでいるという事実が、ラカンにとっての動かし難い理論的出発点となる。 29二章 クライン 幼児の精神分析 「投射による同一化」 自分と母親との区別が、その両方を行き来する悪い対象…

フレデリック・ジェイムソン ポストモダニズムと消費社会

ハル・フォスター編集「反美学」より。現代文学がきわめて個人的で断片的なものになってしまったこと―文学が互いに異なった、個人的スタイルと癖の強い文体の大群へと拡散してしまったこと―は、社会生活全体におけるより深い、そしてより一般的な流れの予微…

E.A.ポー ユリイカ

残雪 暗夜

世界文学全集より。 時代順に代表的中短編を並べた構成のようだった。 最初の二編(「阿梅、ある太陽の日の愁い」、「わたしのあの世界でのこと―友へ」)は意味がわからなすぎて、笑える一方で恐くもあった。特に後者は気がふれているようにしか見えない部分…

スラヴォイ・ジジェク 信じるということ

斉藤環 生き延びるためのラカン

4 フロイト「機知」 駄洒落のような、機知によって語られる言葉には、ふだん抑圧され出てきにくい内容が検閲を経ずにあらわれやすい 抑圧を取り除くことが緊張の開放につながり、笑いをもたらす。 ex. 若い患者にマスターベーションをしたことがあるかどう…

J.Gバラード コカイン・ナイト

バラードの作品ははじめて読んだが、凄まじかった。今年読んだ長編でベスト3には間違いなく入る。 96年にこの内容で書ける、というのは驚異。翻訳が出た時期の関係から、日本ではこの作品の先見性が、9・11がらみで論じられることが多いようだが、なに…

深沢七郎全集10 エッセイ 「夢日記」ほか

興味をひいたものだけを流し読み。大物映画監督の離婚観をボロクソにけなしているものが特に笑えた。相変わらず死生観と異性観は独特。あとがきに書かれていたように、自らの死を意識することが増えるにつれ、じょじょにユーモアの質が変わってきているよう…

古谷利裕 世界へと滲み出す脳―感覚の論理、イメージの見る夢

Jホラー論、横尾忠則・マティス論、橋本治論をとりあえず読んだ。

ジャック・ラカン 精神分析の四基本概念

ヴァルター・ベンヤミン 運命と性格 暴力批判論

イビチャ・オシム 日本人よ!

サッカーについて書かれていることを、全て生き方にスライドさせて読むことが出来る一冊。サッカーを、人生の諸要素が、時間的にきわめて濃密に凝縮された、一つの形としてとらえている氏の提言は、どれも心の奥に響いてくる、重みのある言葉だった。 監督と…

深沢七郎 ナウのあとさき

なにかで大谷能生氏がすすめていたのを見て、これは読んでなかったなと思い、借りてきた全集からつまみ読み。わずか五、六ページのエッセイではあるが、すさまじいカッコよさ。酒飲みつつ読んだから、というのもあったかもしれんが、痺れ上がった。ナウより…

新宮一成 無意識の病理学 クラインとラカン

三章を少しと、講談社現代新書から出ている入門書のあとがきで、氏がセミネール11巻のガイドラインとして自ら薦めておられた、五、六章を読んだ。なるほど、特に六章はかなり読解の助けになりそうな感じがした。ちょうど、なかなか理解できず、こんがらが…

三浦俊彦 エクリチュール元年

表題作のみ読んだ。文系大学もの小説として、「文学部唯野教授」の一万倍は面白い。 爆笑につぐ爆笑。さすが天才の仕事。

安田理央 雨宮まみ エロの敵 今アダルトメディアに起こりつつあること

第一章は、エロ本文化について。80年代ぐらいまでの、自販機本や、末井氏の白夜書房関連エロ本のモノクロページなどには、いわゆるサブカル的な要素を強く持った、金にならないタイプの記事がいくらでも載っていて、そこにはある種のシーンのようなものが…

ポー 黄金虫

狂気と正気の境界ぎりぎりにとどまり続けた人間にしか描けない綱渡り感。リアリティがあった。ポーは恐い。

ヘルダーリン詩集 岩波文庫

後期の詩にはいくつか気に入ったものがあった。「ライン」「パトモス」「記憶の女神」あたり。特に「ライン」はいい。「不幸は耐えがたく 幸福はさらに耐えがたい」とか。 ただ明らかに訳で読むと良さが半減しているんだろうな、というのは随所に感じた。訳…

ポー 盗まれた手紙

まあ頭の体操としては面白かった。いくら警官がアホでも、やたら目立つところに手紙があったら、一応念のため調べるだろう、とも思ったけど。 ラカンがこれについて何を言ってるのかは想像もつかない。外密、とかそういう話なんだろうか。手紙は必ず届く、っ…

中井久夫 最終講義 分裂病私見

精神病からの治癒過程を下山に喩えて、氏独特の、武道や整体の達人に似た、呼吸、間の取り方を生かした治療法の肝をなんとか言語化してわかりやすく伝えてくださっている部分にまず感動しきり。薬物療法の功罪についてきっちり説明しているところも参考にな…

E・A・ポー 黒猫 マリー・ロジェの謎 庭園 メロンタ・タウタ

黒猫 読んですぐ思い出したのは、B級映画「怪猫トルコ風呂」。馬鹿な翻案だったなあと。 「悪」のとらえ方がかなり特殊で面白い。マリー・ロジェの謎 モルグ街〜の続編。実際の事件を元にしているようだった。橋本治の推理小説並に迂回を駆使して細かいとこ…

中井久夫 分裂病と人類

福田和也 悪の恋愛術

デイヴィッド・リンチ 期待の映像作家シリーズ

トーベ・ヤンソン 誠実な詐欺師

思った以上にシャマランと似てるなーと思いつつ読んだ。終盤のカトリがマッツと無言で抱き合う場面はとてつもなく泣けた。タイトルで予想したとおりの話ではあった。構造的には、非常に分析しやすいというか、細部まで全て計算して書かれているので、細かい…

クロード・レヴィ・ストロース 野生の思考