2007-08-01から1ヶ月間の記事一覧

銀河ヒッチハイクガイド

SFコメディというのは今までありそうでなかったジャンルなんじゃなかろうか。 人間の問題のメタファーとしてエイリアンと人間の関係が描かれるのが通常のSF。それに対して本作に登場するエイリアンはしょうもない人間そのもの。そのズラし方が新鮮。鬱気…

家族に乾杯

地方 家族制度

桜玉吉 防衛漫玉日記

ロバート・アルドリッチ キッスで殺せ!

スタンリー・キューブリック 現金に体を張れ

澤井信一郎 Wの悲劇

「セーラー服と機関銃」の薬師丸ひろ子を主演に迎えて悪ノリ全開で撮った作品。冒頭から薬師丸の枕営業シーンという飛ばしぶり。 ほとんど昼メロかと言いたくなるような濃厚さで、女達の野心渦巻く女優の世界を描いている。 劇中劇と劇中に起きる事件がリン…

タモリ2

冒頭の音楽史の偽授業が凄い。圧巻。外国語の雰囲気を抽出する上手さはもちろんのこと、日本語の歌の、それぞれの音楽ジャンルに合わせた、なんとなくありそうだけど、少し考えればどう考えてもあり得ないとわかるような、絶妙極まりないバランスの歌詞が見…

キム・ギドク 悪い女

ある日、売春婦ジナが、前任者と入れ替わりに民宿「鳥かご」にやって来る。様々な軋轢を経て、徐々にジナと同年代の女子大生ユナを中心とする、民宿を営む家族との心の交流が実現していく。前半は、ギドク節炸裂といった感じで、男の理性で抑えきることの困…

いましろたかし デメキング

私小説的漫画からエンターテイメントへの転換を図った橋渡し的作品らしい。 途中まではうまく読者を引っ張れているのに、行き当たりばったりで進めたために終盤で伏線が回収しきれず破綻する、という点で、巻末に解説を書いている浦沢直樹近作と似た部分があ…

樫村愛子 ネオリベラリズムの精神分析

再帰性を確保するためには実はある種の恒常性が必要であり、その恒常性を担保するためには文化が必要、という論理には納得させられた。人文学的な知の重要性がどんどん低下している現在の状況において、そういった知の必要性・重要性について、人文学的な知…

楳図かずお 神の左手悪魔の右手

論理的整合性を一切無視したストーリー展開は、所々笑ってしまいそうになる部分もあったが、一貫して作者の異常なまでのテンションが全てのコマからひしひしと伝わってきた。全ての物語は、主人公である想の子供っぽい空想が現実化したものであり、そこで誕…

柳家小三治 転宅

男の愛すべき単純さが見事に出ていた。

楳図かずお 漂流教室

代々木忠 オープン・ハート

桂文楽 よかちょろ 松山鏡

どっちもいまいち。

ミシェル・ウェルベック 闘争領域の拡大

井原西鶴 好色五人女

ロマンポルノそのもの。こんなもんが日本史の教科書にのっていたのかと思うと笑える。

デイビッド・リンチ インランド・エンパイア

荒木飛呂彦 スティール・ボール・ラン

最新刊12巻まで一気読み。一旦読み出すと止まらないの世界。圧倒的なテンションの持続力。所々にセルフパロディ的な演出が挟まるのも素敵。 舞台はアメリカ。いかにもアメリカ的、といったわかりやすい表現はさほどないが、キリストの登場が暗示されていたり…

つげ義春 無能の人

これも今更ながら読了。多くの人々は仕事にさも何らかの本質があるかのように振る舞うが、実際には皆石屋と何も変わらないのではないか。痛烈な寓意を感じた。

旧約聖書

以前読んだ「創世記」に続き、「出エジプト記」、「ヨブ記」を読んだ。 創世記は「古事記」や各国の神話と似て、ひたすらセックスと戦争を繰り返す神々や人間達の様子が語られる感じ。出エジプト記には、有名なモーセの十戒のくだりが出てくる。イスラエル、…

阿佐田哲也 麻雀放浪記4

ついに完結。坊や哲は勝負の世界から足を洗い、勤め人になっており、この最終巻においては事実上の狂言廻しの役割を果たしているにすぎない。まずそれがなんとも哀しい。哲也とはことなり、時代が変わろうとも決して己の生き方を曲げようとしなかったドサ健…

深沢七郎 全集7

相変わらずの深沢節。この人は初対面の人に勢いでついて行って遠出するのがかなり好きみたいだ。そんなエピソードがたくさんあった。まあ人間性からいって納得いく話だが。 さほど関係の濃くない友達はいっぱいいる人だったんだろう、と思う。そこらへんもや…

12人の怒れる男

死刑判決を受けた少年を巡って十二人の陪審員が丁々発止の議論を繰り広げる法廷もの映画。ほとんどのシーンが会議室とトイレのみで進行するという、超低予算映画だった。(キャストのギャラは高いのかもしれんが) 十二人の描き分けが非常に上手い。理想的な…

マーティン・スコセッシ レイジング・ブル

落ちぶれた後を徹底的に描ききっているのがとにかく見事。 世界チャンピオンになって終わり、だったらちょっと深みのあるロッキー、という程度の映画になっていたと思うが、その後の没落をしつこく描いていくことで、それまで何度か道を踏み外しそうになるも…

雑誌 QJリニューアル号 しりあがり×うすた対談 文学界 ウェルベック 中原柳下翻訳の人県談

望月峯太郎 バタアシ金魚

主人公花山薫の猪突猛進の突き進みぶりは、なんとなく「恋愛論」、「桃尻娘」なんかに見られる橋本治の方向性と重なるように思えた。とにかく、大事なのは対象がなんであるかではなく、対象にいかに没入できるか、陶酔できるか、というところなんだと思う。…

山下敦弘 天然コケッコー

アリ・G

ボラットの監督の前作。 田舎町のBボーイがひょんなことから人気政治家に、という設定の面白さにつきる。これ以上ないぐらい見事にはまっていた。まあ政治のイメージから一番遠いものといえば田舎のヤンキーなわけで、そういう意味では非常に理にかなった組…

サム・ライミ ギフト

出てくる村人が全員キチガイという素敵な映画だった。 ここ数年の我が国にはびこるスピリチュアルブームを先取りしている感もあるアメリカ様のホラー映画。 主人公がめちゃめちゃ胡散臭い、ってのは新しいなーと思った。冒頭からESPカードなんか使っちゃ…