cinema

曾根中生 新宿乱れ街 いくまで待って

神代辰巳 悶絶!!どんでん返し

クリストファー・ノーラン ダークナイト

ネタバレ。メモ。カット、テンポ まず目に付いたのは、速さ。カット数は相当多そう。目がチカチカする場面も何箇所かあった。カーチェイスのところなんか、すごい金かかってるし、車がいっぱいぶっ飛んで愉快なんだけど、さすがにカット割りが速過ぎやしない…

川島雄三 わが街

ネタバレ。笑いの要素が予想よりかなり少なかった。作品全体の雰囲気は非常に陰鬱。 露骨に精神分析的解釈が当てはまりそうなプロットだった。 フィリピンでの経験が外傷となっている男が、嫁、娘とその旦那、孫とその旦那、と三世代にわたり、彼等を自分の…

川島雄三 幕末太陽伝

ネタバレ。大傑作。 石井輝男「江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間」の落語版という感じ。 「居残り佐平次」を中心にさまざまな古典落語のエピソードを下敷きにして、品川遊郭での人間模様が描かれる。 金銭を媒介としたコミュニケーションにおける、騙しあい、化…

トビー・フーパー 悪魔のいけにえ THE TEXAS CHAIN SAW MASSACRE

一人で夜中に観たが、大勢で酔っ払いながら盛り上がりつつ観るとか、劇場のオールナイト上映かなんかで観るほうがあっていそうな映画だった。個人的な感覚なのかもしれないが、ホラー映画と一部のコメディ映画は大勢で観たほうが楽しめる気がする。小生のど…

ロブ・ミンコフ スチュアート・リトル

シャマランが共同脚本を担当しているということで観た。原作もののようだが、何箇所かシャマラン節を感じるところもあり。以下ネタバレ。まずはなんといってもreal/fakeの境界が無化されていくところ。御伽噺風の設定をとっているためなかなか意識の前面には…

エドガー・ライト ショーン・オブ・ザ・デッド

ゾンビ・コメディ映画。好きすぎる。自分も何らかの形で、生きているうちにこんな作品を世に残せたらいいなあと素直に憧れてしまうクオリティの高さ。英国式コメディの伝統はやはり生きているんだなあ、と。共同脚本、主演を務めたサイモン・ペグ(ショーン…

カンパニー松尾 YOGA

とりあえず来年の春に間違いなくインドに行くことを決意させてくれただけで感謝。 またそのうち再見するかもしれない。たまたまフレームに入ってきた、ということなんだろうが、最後の場面に出てくるスーツ姿のおっさんを撮れる、というのがこの人の才能なの…

レオス・カラックス ポーラX

カラックスははじめて観た。劇中音楽と衣装はとてもよかった。 音楽は、特に工場でインダストリアルな爆音ノイズが流れる中、指揮者の指示に従い、複数のドラム、ギターを含む大所帯の編成で演奏している場面がかっこよかった。 あとは、ピエールの着ていた…

アッバス・キアロスタミ そして人生はつづく

「友達のうちはどこ?」の続編。「友達〜」の舞台となった町が大地震に襲われてしまったのを受けて、当時映画に出演してくれた人々の安否を確認しに、再び当地を訪れるところを作品化。道すがら出会う、家族の多くを失ってしまった人々に、それぞれ地震につ…

超能力セックスウォーズ エンジェルH.E.A.T

アホ映画。泥んこプロレスは映像でもはじめて観たがなかなかオツなもんだった。 あとは、ちゃっちいシンセで奏でられる「運命」とか、展開のばかばかしさも○。 人間とアンドロイドの恋、みたいな重そうなテーマが五秒ぐらい出てきたのもアクセントになってい…

川島雄三 喜劇 とんかつ一代

徹頭徹尾ウェルメイドな喜劇に徹しているように見えた一本。 文句のつけどころがない。誰が見てもある程度は笑えて、少しは気分を軽くすることができる、そんな作品だった。自分の中におぼろげなイメージとしてある、一つの理想に最も近いものを観た、という…

川島雄三 イチかバチか

監督の突然の死により遺作となってしまった作品らしい。 どの人物も、よくキャラが立っており、展開も実に軽快。特に伝えたいメッセージなんぞないからかもしれないが、無駄なシーンが全く無い。それでも、随所に軽いユーモアが挟み込まれており、何度も笑っ…

北野武 アキレスと亀

観ていてここまでつらい、悲しい映画も久しぶりだった。 TAKESHI's以降の、セルフパロディ路線の閉塞感がさらにきわまっている感じと、どう見ても、たけしが死にたくて仕方がないと思っているようにしか見えない展開が、実にきつかった。本当に撮りたかった…

川島雄三 人も歩けば

フランキー堺主演、落語的な喜劇映画。いいサゲのついた人情噺という感じで、たくさん笑ってすっきりして家路につけるんだとばっかり思って観ていたら、おどろきの展開が。しかしフランキー堺はいい役者だなあ、と思った。ああいう喜劇を演じて画になる俳優…

川島雄三 しとやかな獣

川島映画初体験。圧巻。ずっとすげーすげー思いつつ観た。 ほとんどのシーンが、同じアパートの一室だけで撮影されているにもかかわらず、テンションが緩んだり、だらけた感じが出る場面は皆無。すさまじい緊張感が終始持続していた。おそらくは、多彩なカメ…

高橋洋 ソドムの市

ネタバレ。適当に印象メモ。恐怖と笑いの関係、という視点から見ると気になる部分がとても多い映画だった。 恐怖と一口に言っても、ピンからキリまで、様々な種類があると思うのだが、おそらく、この映画で描かれている恐怖は、もっとも根源的な恐怖、死の恐…

メル・ギブソン アポカリプト

ネタバレ。 「パッション」はたしか劇場で観て、そのとき近くで映画を観ていたシスターの女性が、中盤から号泣し始めたことに、かなり衝撃を受けた記憶がある。この作品も、パッション同様、なんでそこまでしなければならんのか、と首を傾げたくなるほどに激…

清水崇 呪怨2 ビデオ版

1がやたら尻切れとんぼだなと思っていたら、これが完全な続編だった。しかも、ドラマの続きもんのような意味での。これも含めて完結、ということのよう。 オムニバス的な語り方をしている意味はいまいちよくわからなかった。しつこく同じ家を使って撮ってい…

アン・リー ブロークバック・マウンテン

とても良く出来た映画だと思う。 構造的には古典をしっかりと踏襲している感じで、シンプル。特に捻りがはいっているわけではない。ただ、物語の基本になっている二人の愛情が異性愛ではなく、同性愛ということで、それに伴って細部に古典的なハリウッド映画…

清水崇 呪怨(ビデオ版)

最終的に全てのエピソードがカチッとつながるようになってるのかと思って観ていたら、そうでもなかったので若干肩透かしを食ったような印象を感じたが、まあわりと面白かった。教師小林が、かつて自分のストーカー的存在だった、佐伯なんとかという女の日記…

アルフレッド・ヒッチコック 北北西に進路を取れ

ザ・マクガフィン映画という感じ。なんのメッセージ性も意味もないのに、二時間以上飽きずに見られるのはすごい。これこそがアメリカ、という感じがした。主演の女優さんはとても美人。彼女がブスだったらそもそも成立しない映画だったのでまあ当たり前か。…

黒澤清 トウキョウソナタ

なんとか終了前に劇場で観る事ができた。以下ネタバレ感想。 なんといってもラストシーンの香川照之の表情に尽きる。他は全部どうでもよくなってしまうくらい素晴らしい表情だった。泣きかけた。これを観てなんで主演は役所さんじゃないの?とかいう人はひと…

ラス・メイヤー ウルトラ・ヴィクセン

アメリカ万歳!

チャールズ・チャップリン 街の灯

1931年作品。サイレント。 チャップリンはあんまり好きじゃないんだけど、これはわりと好みの映画だった。何箇所か自然と笑ってしまったところもあったし。サイレントということで、言葉や意味を用いた笑いとは違って、動きメインで笑いを生み出していく。前…

ティム・バートン バットマン

コメディ色が強いとか書いてあったから気軽な気持ちで観てしまったがさほど笑えなかった。というか恐かった。ちょうど笑いと恐怖の境界線に近いあたりの表現が多く、おそらく小生の基準ではぎりぎりで恐さを強く感じるような部分があったんだろう。なんとい…

ティム・バートン バットマン・リターンズ

思ったより切ない映画だった。 善悪の対立をどう描くか、というのがこのシリーズのポイントなんだろうが、この映画も単純な勧善懲悪ものにはなっていなかった。主筋に対する、キャットウーマンの絡め方がうまい。愛憎入り混じる感じを、男女関係とパラレルに…

宮崎駿 となりのトトロ

クリント・イーストウッド ミリオンダラー・ベイビー

ネタバレ。ボクシング映画かと思っていたらそうでもなかった。 この映画でのマギーをめぐる悲哀は、レイジングブルのような、落ちぶれた元チャンプ、といった意味の切なさとは全く関係ない。完全に、ほとんどむき出しに近い形で、死がテーマとなっている。そ…