2006-06-01から1ヶ月間の記事一覧
書くということとは、物語とは、といった問題についての深い思索が反映されたメタフィクションではあるが、決して過去の文学作品に対する反動から、ラディカルに前衛性を追い求めたような作品ではない。デビュー作シティ・オブ・グラスと同じく、古典からの…
しばらく前に読んだのだが、何も書いてなかったので今更。 前半のヒッピー生活の描写は非常にディテールがよく書きこまれており、当時のことを想像するにあたって非常に参考になった。衛生面の問題などは特に、理想化されたコミューン生活のイメージを再構成…
エスや超自我といった概念が出てきて、ますますわかりにくく。 幼児期の段階分けとその男女差のくだりが一番参考になった。 (エディプス期、口唇期、男根期、うんぬん)
劇作家宮沢章夫のエッセイ集。読者は誰もが、日常のほんの些細な出来事でも、視点を少し変えるだけでここまで楽しめるようになるのか、と彼の持つ特異かつユーモアに富んだな視点に驚かずにはいられないだろう。とにかく、視点のズラし方のセンスが抜群。ま…
明らかにピークを過ぎている。一つ一つのネタに新鮮味がない。 しょうがないんだろうけど、ややパターン化してきてしまっている感じ。
キャストの豪華さと、内容のB級テイストのギャップが凄い。 この悪ノリっぷりこそが彼の真骨頂なのか。ビアースプロスナンの配役なんか、よく本人がOK出したな、という感じ。一応アメリカの異質な他者への不寛容を風刺するような側面もなくはないのだが、 驚…
医者が自らの行為は偽善にすぎないのではないかと悩むシーンがきちんと挿入されているため、単に差別はダメ!絶対!と叫んでいるのと変わらないような、ベタなお説教映画とは一線を画するものとなっている。ある種の自己満足を前提とした上での贈与というも…
年老いたドンファンのダメ人間ぶりをユーモラスに描いた新作。人間が誰しも多かれ少なかれ持っているような情けなさの肯定、という点では、落語的な要素が強く感じられるストーリーだった。昔の女達がみなかなりイタい感じに変わっているというのも、なんと…
ホリーみたいな女に騙されてみたいもんだ。一度でいいから。 こういう不思議ちゃんが一番だってことだね、とにかく。
97年のJPOPのヒット曲批評。 小室とジャニーズを語らせたら右に出るものはいないでしょう。
後半、リュウとモコのウッドストックを巡る会話。「そうね、リュウ、ウッドストックの映画だけどさ、あなた観た?」 「ああ、なぜだい?」 「今また観たくない?今観ると白けるかしらどうかしらね、どう思う?」 「白けるよきっと。でもジミヘンは凄いだろう…
少女娼婦けものみち神代にしてはイマイチ。内田裕也はよかったけど。赤赤い髪の女家帰ってみたら女が自分のパンツはいてた、というシーンは好き。 全体にジメジメした感じが画面から漂ってきた。まさに梅雨時に見るべき映画、という感じ。 代表作と言われて…
主人公の弟の夕顔ノートはなかなか胸に迫るもんがあった。 太宰が好きというのはあまり声を大にして言いたくないが、好きなもんはしょうがない。
挿絵つきの短文集。晴れた日の昼間に外でぼーっとしながら読むのに向いているんじゃないだろうか。 いくつかグッと来る文章があった。
アーレント、デリダ、ロールズあたりから始まり、最近のリバタリアニズム、コミュニタリアニズム、ネグリ=ハートのマルチチュード論に至るまでの政治・法哲学の入門書的な本。アメリカのフェミ系法哲学者コーネルの提案している、「イマジナリーな領域に対…