2006-06-19から1日間の記事一覧

ポール・オースター 幽霊たち

書くということとは、物語とは、といった問題についての深い思索が反映されたメタフィクションではあるが、決して過去の文学作品に対する反動から、ラディカルに前衛性を追い求めたような作品ではない。デビュー作シティ・オブ・グラスと同じく、古典からの…

マーク・ヴォネガット エデン特急

しばらく前に読んだのだが、何も書いてなかったので今更。 前半のヒッピー生活の描写は非常にディテールがよく書きこまれており、当時のことを想像するにあたって非常に参考になった。衛生面の問題などは特に、理想化されたコミューン生活のイメージを再構成…

フロイト (続)精神分析入門

エスや超自我といった概念が出てきて、ますますわかりにくく。 幼児期の段階分けとその男女差のくだりが一番参考になった。 (エディプス期、口唇期、男根期、うんぬん)

宮沢章夫 よくわからないねじ

劇作家宮沢章夫のエッセイ集。読者は誰もが、日常のほんの些細な出来事でも、視点を少し変えるだけでここまで楽しめるようになるのか、と彼の持つ特異かつユーモアに富んだな視点に驚かずにはいられないだろう。とにかく、視点のズラし方のセンスが抜群。ま…