銀河ヒッチハイクガイド

SFコメディというのは今までありそうでなかったジャンルなんじゃなかろうか。
人間の問題のメタファーとしてエイリアンと人間の関係が描かれるのが通常のSF。それに対して本作に登場するエイリアンはしょうもない人間そのもの。そのズラし方が新鮮。鬱気味のロボットに、やたらノー天気な宇宙船のコンピューター、愚鈍で煩雑な手続きにやたらとこだわる官僚気質にあふれた宇宙人などが次から次へと現れる。あまりにも明らかに人間そのもので、メタファーでもなんでもないところが逆によい。
スパイスにちょっぴり哲学的なテーマが盛り込まれているところも悪くない。
細部までいちいち良く出来ている。傑作。