樫村愛子 ネオリベラリズムの精神分析

再帰性を確保するためには実はある種の恒常性が必要であり、その恒常性を担保するためには文化が必要、という論理には納得させられた。人文学的な知の重要性がどんどん低下している現在の状況において、そういった知の必要性・重要性について、人文学的な知の枠組み内で、しっかりと十分に説得力のある議論を行なっているものにはほとんどお目にかかったことがなかったが、この本にはある程度の説得力があったと思う。