2007-08-28から1日間の記事一覧

タモリ2

冒頭の音楽史の偽授業が凄い。圧巻。外国語の雰囲気を抽出する上手さはもちろんのこと、日本語の歌の、それぞれの音楽ジャンルに合わせた、なんとなくありそうだけど、少し考えればどう考えてもあり得ないとわかるような、絶妙極まりないバランスの歌詞が見…

キム・ギドク 悪い女

ある日、売春婦ジナが、前任者と入れ替わりに民宿「鳥かご」にやって来る。様々な軋轢を経て、徐々にジナと同年代の女子大生ユナを中心とする、民宿を営む家族との心の交流が実現していく。前半は、ギドク節炸裂といった感じで、男の理性で抑えきることの困…

いましろたかし デメキング

私小説的漫画からエンターテイメントへの転換を図った橋渡し的作品らしい。 途中まではうまく読者を引っ張れているのに、行き当たりばったりで進めたために終盤で伏線が回収しきれず破綻する、という点で、巻末に解説を書いている浦沢直樹近作と似た部分があ…

樫村愛子 ネオリベラリズムの精神分析

再帰性を確保するためには実はある種の恒常性が必要であり、その恒常性を担保するためには文化が必要、という論理には納得させられた。人文学的な知の重要性がどんどん低下している現在の状況において、そういった知の必要性・重要性について、人文学的な知…

楳図かずお 神の左手悪魔の右手

論理的整合性を一切無視したストーリー展開は、所々笑ってしまいそうになる部分もあったが、一貫して作者の異常なまでのテンションが全てのコマからひしひしと伝わってきた。全ての物語は、主人公である想の子供っぽい空想が現実化したものであり、そこで誕…