manga
私小説風、日記漫画。例によって、自己との距離のとり方が非常に好み。吾妻ひでおの「失踪日記」なんかもそうだけど、本当に自分の経験した出来事なのか、と疑いたくなるぐらいに冷めた第三者的視点が一方にあるので、読んでいてもベタベタした感じがしなく…
21世紀に甦った、深沢七郎「庶民烈伝」か、あるいはダークサイドオブ「家族に乾杯」か、といった感じの、田舎にすむ庶民達の生活をユーモアとペーソス満載で描いた氏の新作長編。作品全体がおぼろげにまとう不穏な空気、その根底には、エコだ、ロハスだと…
ぼのぼののスピンオフものの絵本。のが多い一文。 いじめの話だった。まあありがちな寓話。涅槃系。 関係ないけど、この前見た日本昔話の、いがらし氏担当エピソードはかなり恐かった。あれはSINK系か。ジョンガリとかいう短編集も相当恐そうだったので今度…
子どもが寝る前に絵本を読んでもらうような感覚で、毎日寝る前に少し読んでは寝る、という形でゆっくりと読んだ。なぜかいつもミニチュア版の自分と三人セットで動き、あらゆるものに顔を書くのが好き、というレポンちゃんの設定は、よく考えると相当恐いん…
恐怖ぎりぎりの笑い。エログロナンセンス、といってすませられるレベルではない過激さ。ウンコ、ゲロ、変態性描写のオンパレード。これで極北まで行ってしまったんだろうな、という感じ。最終巻の後半での、モノと会話する4コマあたりから、狂気よりすぎて…
20世紀米文学を中心として、古典、映画など多くの作品からの影響をわりと素直に出しながらも、しっかりとした独創性を持った物語を創り出している。根底にあるのは、白鯨のプロットとロードナラティヴの形式。沈みゆく船のメタファーなんかを交えつつ、行…
四コマ漫画。自意識過剰であるがゆえに損をする女性を上手く描いているだけ、といえばそれまでなんだけど、細かい部分の観察力がすごいので、ところどころ、かなり笑ってしまった。あとは、なんといっても、周囲に向けられている厳しい視線が、きっちり自分…
動物の絵が上手。
アウトサイダーにもほどがある。 特にラストの「イエローマン」はあまりにも滅茶苦茶すぎてびっくりした。 この人は、漫画を描く際に誰であっても捉われるはずのコマ割りにすら拘束されない。時間も空間も知った事ではないと言わんばかりの、脳内妄想ダダ漏…
おそらく「無頼伝涯」以来久々の少年誌連載。 媒体を意識しすぎているのか、ここまでの所、中学受験算数のような謎解きが多く、読んでいてもいまいちヒリつくような緊張感が感じられない。ノリはほぼ完全にカイジ第一部とかぶっているのだが、熱量が足りない…
進みが遅すぎるため以前買っていたコミックスは全部売ってしまっていて、序盤の設定なんかも若干忘れてしまっていたが、さらっと読み直しつつ、現時点での最新巻まで読んでみた。 前作「殺し屋1」に比べて、若干名越先生の介入度が高まっているような気がす…
http://blog.excite.co.jp/mangaword/5197375 全部読んだあとで、このインタビューも読んだ。以下完全にネタバレ。 ゼロ年代(笑)も後半になろうという今、成長物語を書こうと思ったら、単なるベタな、試練をいくつか乗り越えて段々主人公が目に見えて成長…
業深!
これでもある程度突き放して書いているんだろうとは思うが、それでもまだ少し、自分語りの距離感がベタベタしすぎている気がした。まあ個人的な好みの問題になってしまうんだろうが、似たような作風だったら、桜玉吉氏の一連の作品の方が、もう少しからっと…
表題作、大好き。 ちょっと泣きそうになった。非常に微妙なところを突いているのだが決して残酷には感じられないように書かれているところがうまいなあ、と。
「去年マリエンバードで」がよかった。内容全然関係ないんだろうが映画のほうも観なきゃなあとか思った。あと、2000年代になってから出た単行本も一冊読んだのだが、見事な劣化ぶりで、とても読めたものではなかった。芸能活動でお金もらえるから、切羽詰っ…
お国のために生贄にされ、人柱となった処女を地底に潜んでいた自民党員が襲う「少女死すべし」が最高。数年ぶりに再読したがブックオフで爆笑してしまった。
選手ではなく、監督が主人公のサッカー漫画。急激に曲がったり、ゴールネットを突き破るようなシュート、敵チーム全員を抜き去るドリブルなどの派手な演出こそ無いが、随所に静かな興奮を感じさせてくれる。こういった漫画が広く受け入れられる状況になって…
意味が崩壊するぎりぎりのところで創作しているからだろうが、笑いと恐怖の境界、やや恐怖寄り、といったあたりに位置づけられる作品だと思う。この人の感覚は元々そんなに好きではないというのもあってか、それほど楽しめず。途中お父さんとムー夫が戦うへ…
六部が一番好きかもしれない。FFが死んでしまう場面は泣けた。
ワムウかこいい
「孤独のグルメ」の良さがそのまま出ている感じ。何度も読みたくなる。 こういったゆったりとした時の流れに身を任せるような感覚、というのはどんどんどんどんどんどん失われていっているんだろうが、なんとかギリギリのところでこういった余裕はキープして…
ロケ地ツアーしたくなる。 世知辛い世を生きるサラリーマンにとっては、食の時間だけが、時計の指す時間に拘束されない、自分だけの時間なのかもしれん。 もはやカイロス時間を感じることすら難しい、ってのはどうなんだ。食事の瞬間だけって。引くわ。クロ…
リアルすぎてへこむ感じ。 切なすぎる。笑えるけど笑っていいのかわからなくなる感じ。複雑! 島耕作が超資本主義バリバリのビジネス界を代表するアイコンだとすると、こっちは駄目人間のアイコン、って感じ。島は読んだ事ないが、こっちのが好きに決まって…
例によってすごく映画っぽいコマ割だなあーと思った。終盤の風景がどんどん変わっていくところなんか、画的にはすごい好きなんだけど、話の内容は彼の他の漫画に比べるとちと微妙だった。ちょっと頭がおかしすぎるというか、殺し屋1からユーモアを取り去っ…