いがらしみきお かむろば村へ 〜3

21世紀に甦った、深沢七郎「庶民烈伝」か、あるいはダークサイドオブ「家族に乾杯」か、といった感じの、田舎にすむ庶民達の生活をユーモアとペーソス満載で描いた氏の新作長編。作品全体がおぼろげにまとう不穏な空気、その根底には、エコだ、ロハスだといってヘラヘラしているニューエイジまがいとは一線を画する、正真正銘の呪いの重さ、業の深さがある。まぎれもない天才の仕事。