ジャイアント・キリング 1〜5

選手ではなく、監督が主人公のサッカー漫画。急激に曲がったり、ゴールネットを突き破るようなシュート、敵チーム全員を抜き去るドリブルなどの派手な演出こそ無いが、随所に静かな興奮を感じさせてくれる。こういった漫画が広く受け入れられる状況になってきた、というのは、いよいよJリーグを巡る環境が、歴史のあるヨーロッパのリーグと比べても遜色ない程度に、ある程度成熟してきたことを示しているような気がする。各地域にサポーター文化が根付いていなければ、こういう漫画が世に出ることはなかっただろう。

監督のみならず、フロント、サポーター、記者、カメラマンなど、従来のサッカー漫画では脚光を浴びる事が少なかった、プロサッカーに関わる様々な人物を丁寧に追ったストーリー展開は、斬新。目の付け所が抜群。各選手へのスポットライトの当て方も、プレー面以上に人間性に焦点が当たっていたりして、実に面白い。