E・A・ポー 黒猫 マリー・ロジェの謎 庭園 メロンタ・タウタ

黒猫
読んですぐ思い出したのは、B級映画怪猫トルコ風呂」。馬鹿な翻案だったなあと。
「悪」のとらえ方がかなり特殊で面白い。

マリー・ロジェの謎
モルグ街〜の続編。実際の事件を元にしているようだった。橋本治推理小説並に迂回を駆使して細かいところまで理詰めで追い詰めていくんだけど、一方で偶然性にも意識を開いている感じがある。これが両極の力を最大限に高めようとしている結果なのか。

庭園
これまた一筋縄ではいかん感じ。自然と人工の対立についての見解が奥深い。何度か読むと違った印象を受けそうな気も。

メロンタ・タウタ
中原のフンペ・フンペみたいなタイトル。意味がわからず笑ってしまった。のろまな気球で空を飛んでいてあまりに暇なので、暇つぶしに書いた手紙、という設定で、帰納と演繹の関係について、当時の知識人への適当な風刺もまぶしつつ語っている。これもぱっと分析できる感じではなかった。