火曜
昼過ぎ登校。三限、前期最終回にしてはじめて出席。レポート提出。学校で、土方巽「肉体の叛乱」展を見る。土方作品と、同時代の周辺の動きとして、横尾忠則によるポスター、細江英公氏による写真など、そして一階にはなぜか油井正一の書簡が展示されていた。大学のアーカイブに保存されているのだろうが、「肉体の叛乱」の映像を観れたのはよかった。いかにもな時代感がバリバリであった。細江氏の写真も非常にヴィヴィッドな感じで好みだった。写真集など借りてみようかしら。夕方、渋谷に移動。ヴェーラで「若者の全て」を観て、帰宅。長かった。
夜はNHKで「プロフェッショナル 仕事の流儀 羽生、森内スペシャル」を見た。将棋の定跡についてあまり知識がないので、序盤の意外性ある一手の凄味、というもんを汲み取ることは出来なかったのだが、名人戦二日目の対局で、羽生氏の誰にも予想がつかない一手に対して、森内氏がしばし逡巡のあと、羽生氏に目をやり、微笑。それを見てとった羽生氏も、思わず微笑。という場面には痺れた。羽生氏が30代を過ぎて、対局数を重ねていくにつれて、勝敗のみに拘る姿勢が少なくなってきた、と言っていた件とも関わってくるんだろうが、相手とある意味協力して、盤上でいまだ現出したことのない、新たな局面を創り上げていく過程に、勝負を超えた充実感を得ているのかもしれない。素人には想像もつかないレベルからだけ見える、特別な景色というものがあるんだろう。勝ちが見えたところで羽生氏の指先が震えだす、というのも、それこそその時の脳はどうなってるんだろうという感じがして興味深いもんがあった。もぎーはそんなことについてはもちろん質問してなかったが。

水曜
午前中、初教習所。のはずが寝坊して初日から行けず。さすがにちと反省。
夕方まで家で読書して、九段下へ。後輩に誘われた、靖国神社「みたま祭り」に初めて行った。思ったよりポップな雰囲気で、右翼臭は全く無し。参拝をすませて、鮎の塩焼きを食べた後、メインイベントである見世物小屋へ。蒸し暑く、狭苦しい小屋の中で、60年代の寺山修司周辺を思わせるような雰囲気を醸し出しつつ、軽快な音楽と煽りにのせて手品が小気味良く繰り出されていくパートと、美人蛇女がチェーンやら蛇を食らうショーパートの二部構成。昔の縁日を偲ばせるような空気感が実に素敵であった。観終わってから知ったが、前半パートを担当していた人達はデリシャスウィートスという、なかなか若い人達のようで、最近はやりの擬昭和みたいな文脈からも人気が高いみたい。ホームページhttp://www.derisya.com/なんかも、昭和風デザイン。なかなかのエンターテイナーぶりで、気に入りました。フジのパレスオブワンダーかなんかに出演したら映えそうな感じも。その後もチキンステーキ、揚げもち、広島風お好み焼きと食べて、ラムネ飲み、つのだ☆ひろの奉納ライブでなぜか「川の流れのように」のジャズカバー版を聴いて、かき氷食べて、と盛りだくさんで終了。皇居まで散歩して、同行のメンバー三人と別れ、富士山から下界に戻ってきた別の友人の車に乗り、帰宅。塩昆布、赤貝なんぞつまみつつしばし焼酎を飲んだ後、十二時過ぎに近所の「へぎそば 匠」に移動。出し巻き玉子、あさりの酒蒸し、豚の角煮、穴子の天麩羅あたりを肴に日本酒を一合いただき、へぎそばを食して二時ごろお開き。再び富士山に戻る友人の車にカバンを忘れたまま就寝。

木曜
昼前に起床。カバンがなくなっていることに気づくも、手遅れ。まあ仕方ない。二時前に家を出てて、新橋へ。汐留で「アール・ブリュット展」。最初のアロイーズからして当てられっぱなし。海外勢はある程度有名になってしまっている作品が多かったが、日本勢についてはどれも初見だった。自分と同じ苗字の男性が、「五木ひろしディナーショウ」という凄まじい狂い方の作品を書いていて面白かった。物販でしおりを買い、コーヒー飲みつつ読書。
しばし休憩の後、渋谷へ移動。HMVでプライマルの新譜とブラック・キッズという新人のCD(シングル曲は結構好きな感じだった)を軽く視聴して、ヴェーラヘ。「赤い砂漠」「ノスタルジア」の二本。想像はついていたが案の定二本とも好みではない感じ。一本目は途中で寝てしまったし、二本目も正直いって何がいいのか全くわからなかった。まあ観ておかないとお話にならない監督達なので、修行だと思ってまた懲りずに観に行こうと思う。家で観たら間違いなく途中で停めてしまうだろうし。
これからレポートを二つ書き、テストの対策をして寝る。