I Don't Know What Love Is.

5日
昼過ぎに起きる。漫画など読んだり呆けたりした後、夕方から正装で新宿へ。直前まで行くかどうか悩んでいたのだが、結局当日券を購入し、近々取り壊されるという歌舞伎町の老舗キャバレー、クラブハイツにて、菊地成孔とぺぺ・トルメント・アスカラールのライブを鑑賞。別に以前からの思い入れがあるというわけではなかったのだが、クラブハイツには、どうしても一度行っておきたかったので。

はじめて足を踏み入れたクラブハイツは、中央の巨大なシャンデリア、積み上げられてきた時間の厚みを感じさせる椅子などの調度品、とても21世紀の日本とは思えない、えもいわれぬ空気感をかもし出すステージと、実に猥雑で濃厚な、雰囲気のある「場」だった。ステージ脇に、ビンゴゲーム用のボードがそのままの形で放置されていたのも、なんともいえない絶妙さだった。もはやほとんど存在しなくなってしまった、「社交の場」特有のアウラ笑を感じずにはいられなかった。そのへんのクラブではこうはいかんよなあ、などと考えつつライブを堪能した。惜しむらくは一人だったこと。ドレスアップした淑女と同伴したかったところだが、実際には開演に少し遅れて当日券で一人で入ったためか、薄らハゲのおっさんと、ネットカフェ難民みたいな、ジャージを着た年齢不詳のおばはんと相席だった。まあどうでもいいんだけど。ライブのほうは、ハープの音が絡んでくる部分が良かった。アンコールまではMCなしで、最後にちょろっと喋って、You Don't Know What Love Isで唄って締める、というのは、なかなかにくい演出だった。MCで煽っていたのに、誰もダンスを踊る客がいなかったのは残念だった。日本人は概して恥ずかしがりすぎだと思う。もったいない。

終演後は、ビルの下で一人寂しく煙草を吸いつつ、他のお客さんのドレスアップぶりを観賞した。30代〜40代の女性に、数人非常に綺麗なお洋服をお召しになっている方がおり、ハッとさせられた。男性陣は、ラフな格好で来場している人の方が多いぐらいで、少しがっかりさせられた。そういえば、ひどい色のシャツを着た、T内祐三氏を見かけた。あーあ、って感じだった。

新宿から千駄ヶ谷に移動。一人カラオケ明けの美女と、一人ライブ明けの小生で神宮球場にてプロ野球観戦。小雨の中なんとか阪神が勝利。藤川の投球をはじめて生で見ることができて、非常に満足。これまで何度かヤクルト阪神戦を観に行ったときには、不思議と藤川が投げる展開にならなかったので。四度目ぐらいにして、ようやく念願かなったり、という感じだった。試合終了後、恵比寿の「あふり」に寄って軽くラーメンを食べて、北区。疲れていたのか、気づいたら寝てた。


6日
二時半ごろ起きる。久々に十時間以上寝た。五時前ようやく登校。後輩に本を貸し、一瞬ゼミに顔を出す。図書館で少し本を読んで北区。夕餉後はテレビを観たり。夜中、サッド・ヴァケイションを観賞。力作だった。