2006-12-01から1ヶ月間の記事一覧
原と以前関係のあった女性、武田美由紀が、彼との間の子を引き取ってアパートを出て沖縄で暮らすようになってから、自力で黒人兵士との間に出来た混血児を出産するまでの経過に密着した、まさに極私的と言うにふさわしいドキュメンタリー。しかも録音を担当…
アガンベンによるバートルビー論と、バートルビーの新訳と、訳者高桑和己氏によるバートルビー論、「バートルビーの謎」から成る。 アガンベンのバートルビー論のキモは、「潜勢力」という用語にあると思われる。どこまでこの語が理解できているかはかなり怪…
バルトが見ていたプロレスは、現在の日本のプロレスと比較すると、かなり見世物的要素の強いものであったようなので、彼の議論をそのまま日本のプロレス論として読むことはかなり難しい。と言っても、プロレス全般に共通する見世物的、ショーマンシップ的要…
所謂暗黙の了解を守った上でのプロレス、「プロレス内プロレス」(ケーフェイとほぼ同義と見て問題ないだろう)と対置する形で、猪木の時にその枠をはみ出していくようなプロレスを「過激なプロレス」と定義したところが肝。バルトのプロレス特有の胡散臭さ…
AVの世界に入ってくる女の子は、ほぼ例外なく家庭の問題を抱えている子ばかり、というのはなんとも。 自分が所謂マトモな家庭に育っただけに、想像することしかできんのだが、それでもなんとか少しでも彼女達の考えに近づきたい、と思って読んだ。偶然性の問…
架空の書物の断片という設定を用いて、技巧の限りを尽くした短編集。 終盤の文体遊戯なんかは、日本語でしか出来ない部分が出ていて面白かった。 一つ一つの物語に何かしらの鋭い発想力が見られる。それで最終的に二百ページ以上に膨らませるというのは、流…
リーダビリティの高さに惹きこまれ、一気に読了。 探偵小説的な構造が用いられていたから引き込まれたような気もする。違うかもしれんが。 細部の描写の積み重ねで構築していく、と言う部分はカフカとかに近いのか。 なぜかウンコおしっこといった中学生レベ…
男女間の複雑な人間関係を上手く描いている。 序盤鼻につくシーンも散見されたが、途中からは問題なく観れた。 ロマンティックラブイデオロギーがいかに欺瞞に満ちたものであるか、っちゅーことがよくわかる映画だった。 一人の異性を永遠に愛し続ける、とか…