「ムツゴロウ麻雀記」  畑 正憲

数あるムツゴロウさんの裏の顔の一つ、阿佐田哲也小島武夫といった面々とも幾度となく卓を囲み、実はプロ級の腕前を誇る麻雀について書かれたエッセイ集。

「有益なこと、金になることを、ぶっ倒れるまでやれる男はたくさんいるけれど、無益の役立たずのことを、倒れるまでやれる男は滅多にいないんだ。麻雀をとことんやって死ぬなんてえのは、人間らしい、はなばなしい死なんだぞ」

要するに男とは、常に満たされぬものであるらしい。それだからこそ、意味のないことに血道をあげてしまうのだ。


さすがムツゴロウさん、すばらしい人生哲学である。