トゥエイン 人間とは何か / The War Prayer

「人間とはなにか」は後期トゥエインの悲観的思想が詰まった対話型評論。
人間何をするにせよ、まず自分の精神的満足が得られることこそが重要である。という意見を手を変え品を変え様々な具体例を持ち出しつつ検証していく。
贈与だとか隣人愛といったものも、すべてまず自己満足ありきである、という話。
身近なところだと親切ぶったボランティアとかに感じる類の怒りが、作品中に満ち満ちている。

偽善だということを承知で、自分の満足のためにボランティアをやっています、とか自信を持って言い切れる人がいたら支持したいと思うが、果たしてそんなやつがどれだけいるものやら。

War Prayerは死後発掘された反戦を謳った短編。戦争に行く兵士の無事を祈ることは敵兵の死を祈っているのと変わらんことじゃないのか、という強烈な皮肉が展開されている。