千原兄弟 「金龍飛戦」

デビュー以来二本目のライブビデオ。素晴らしかった。収録コント六本、いずれも非常に笑える。しかし、この作品のおもしろさは、現在そこらじゅうのバラエティ番組に蔓延しているような、軽い笑いとは完全に異質のものである。生死の境界線ギリギリのところで生まれる、狂気すらはらんだ笑い、とでも言ったらいいだろうか。おそらく笑いを突き詰めていくとこうなる、という一つの形だと思う。コントの合間に挟まる千原浩史の詩も、なかなか胸に迫るもんがあった。
「僕は服を着た犬が嫌いだ。だから僕は服を着た犬にはならない。」とか
「僕は今までも今からもヒガイシャではなく、カガイシャでありたい。」(うろ覚えだからちょっと違うかも)とか。

ラスト全コント終了後に流れるナレーション。

僕が死ぬ間際に見る頭の中をグルグル回る思い出の中には
金龍飛戦が必ず入ってる。
だからきっと僕は彼の様に笑いながら死ねるんだ。

本人にとってもこう言い切れる出来ってことだろう。決してカッコつけてるようには感じない。こんな矜持がもてるようになりたいもんだ。