リリー・フランキー 美女と野球

文章力があるわけでもなく、文体に独特の味があるわけでもない。そういった部分で読ませるというよりは、扱っている人物なり出来事なりの面白さが目立つ感じだった。要は生き方が面白い、って話。
ある程度筆者自身が自己の体験を客観的に語っているので、いやらしい自己陶酔に辟易させられるような事はなかったが、内容の無いエッセイでいかに面白いものを書けるか、という最近の興味からすると期待はずれだった。
下ネタの多さも印象的だった。マンコの臭いを十円玉に例えていたのは笑えた。あとは知人のおっさんが女を買いにベトナムに行った際、絶世の美女と出会い、彼女の自宅で家族と壁一枚隔てて行為に及んだ、という話で、こんないい女とやってエイズになるならしゃあない、と迷わず生でやった、っていうのも豪気が感じられるエピソードで面白かった。