19日
まだ若干疲れが抜けない感じ。夕方まで志村正雄氏の本など読む。借りていたCDのデータをパソコンにぶち込んだりした後、久々に駅前図書館へ。大量に返し、借りる。散歩。

本屋でhon-nin叶恭子様特集と、よりみちパンセの叶恭子様のやつを立ち読み読破。感動。ほぼあらゆる転移関係から撤退しつつ、周囲に優しさを振りまく叶恭子様は現代に蘇ったストア派哲学者だ。あくまでも、どこまでも自覚的に、快適に日々を生き抜くためのセルフプロデュースを徹底しているところも凄い。昔は、トータルライフスタイルコーディネーター、といった彼女達の肩書きを思いっきり鼻で笑っていたものだが、今となっては、そんな非礼をお許しいただくためならば土下座も辞さない構えである。お金や性的放縦が症候として残っているのは、おそらくは貧しい生い立ちや、新地ホステス時代の苦労といった、個人的な環境、来歴が色濃く影響しているのだろう。妹の逃亡に、実父の暴行事件と、近年明るみに出ることの多い、家族との微妙な関係について考えると、恭子様の根本的な部分での深い絶望を思わずにはいられない。そんな中で、実の姉妹でもなんでもない美香さんと長年にわたり共同生活を続けている、という事実は非常に興味深いものがある。男を本当に好きになる事は決してないと断言する恭子様が、美香さんが結婚したら後について行く、だの、美香さんと別れて暮らすことなど考えられない、だのと繰り返しメディアで語っているというのは、所謂プロレス的パフォーマンスの側面を差し引いても、何かが裏にあるような気がする。どういうきっかけがあってのことかは想像するしかないが、叶姉妹の二人には、拡大家族的な、非常に強い絆があるのではないかな、とか。

あとは注目の美人女優吉高由里子のフォトエッセイ本なども読んだり。まあ可愛いのはもちろんなんだが、非常に雰囲気のある女優さんである。蜷川氏には一ミリも興味ないのだが、蛇にピアスを少し観たくなる感じはある。上島珈琲店に寄ってしばしだらけて北区。夜はHD整理など。12時前に自然と寝てしまう。四時ごろ一旦目が覚める。一時間と少しネットなどしてまた寝た。

20日
11時前に起きる。昼は恵比寿の蕎麦屋「なな樹」へ。とろろご飯付きの定食をいただく。蕎麦はコシが強めの信州蕎麦。なかなかうまかった。店主のオッサンがいまどき珍しい頑固親父系だったのが新鮮でよかった。東京へ移動。フィルムセンターでトリュフォー観る。「あこがれ」という短編映画は、主演女優が美女すぎでなかなかよかったが、「大人は〜」は退屈で何度も眠りそうになってしまった。正直何が面白いのかよくわからなかった。終了後歩いて銀座へ。煙草店など冷やかしつつ銀ブラ。缶ピーの実物をはじめて見る。缶がイメージしていたより小さくて驚いた。あとは、キューバ葉巻の数々や、パイプを。そろそろシガーを吸う渋い紳士キャラに鞍替えしようかなどとは思うわけがなかった。

五時ごろ友人三人と合流。近くのギャラリーへ、ダダカン展を観に行く。とんでもなかった。ここ二、三年のどこかで撮られた写真で、お手製のペニスカップだけを身につけ、ほぼ全裸で逆立ちしながら、胸に「殺すな」と、でかでかと書かれた半紙をぶら下げているやつとか、ひどかった。これを見たらあまりの脱力具合に、殺す気もなくなるだろうな、というような代物。旧一万円札や、北斎春画の上に、あとで剥がして元に戻せるように笑、着脱自在のチン拓を貼り付けた作品もどうしようもない感じで。もはや存在自体が芸術作品なので、同じようなことをやり続けていられれば、完璧、という立ち位置は羨ましいなあとおもたり。あとは、精神病院退院時に書かされた念書とか、大阪万博の際、全裸パフォーマンスで逮捕されたときの新聞記事の切り抜きなんかの、凄まじい個人史を彩る数々の品も展示されていて、笑えた。どうでもいいが、おそらく客で川上未映子が来ていた。もっと凝視すればよかった。ドトールで数時間だべった。Nキリ子はブスであってほしい、とかネグリがどうとか言って盛り上がってる日本のサヨクどもは別に面白くない、とかそんな話をした気が。そこから、一人帰って三人で中華料理屋に移動。そちらでも長話。浅草の再開発うぜえー、とか、犬の散歩させてるマダム達の目の前で犬鍋食いたい、とかそんな話を。こうして書き出してみるとひどいな。