ポン・ジュノ 吠える犬は噛まない

この人はよく、日本の漫画に似た想像力を感じる、といった評されかたをしているようである。まあ、そういう面もなくはないとは思うが、彼の作品の異常さ、面白さの本質はそこにはないような気もする。まあ適当だけど。
とにかくわけがわからない、特異なユーモア感覚が非常に好み。個人的に似ていると感じるのは、魯迅ぐらい。日本にはない大陸系のユーモア、ってことでくくってしまっていいもんなのかどうかは微妙だけど、なんかそういう部分も無くはないような希ガス。残雪もこんな感じなんだったらすごい好きだろうから読みたい。
説話論的経済性、という部分に対する意識の強さ、というのはどの作品からも非常に強く感じる。この作品なんて、マンションの住人が犬を探すだけの話だし。あとはグエムルの絶妙なサイズ感は、サインのへぼ宇宙人以上に凄い発明だと思う。本人がスピルバーグ好きを公言しているあたり、シャマランなんかとも若干かぶってくるかも。
ポスト・スピルバーグ(わらい)みたいな感じで、将来的にこの二人が巨匠になってくれたら楽しそう。