28日
九時起き。二限に出る。非建築家、ドラァグクイーンのヴィヴィアン佐藤氏講演。非常に知的で、あらゆる活動にかなり自覚的に取り組んでいる方のような印象を受けた。アンチPCを訴えていたあたりには強く共感した。ケとハレの話が少し出ていたので、その二つの棲み分けをどのように考えているか尋ねたところ、あまりケがない、常にハレであるかのような感覚を持っている、とのお答えが。東京の速さ、情報量に素直に適応して暮らそうとしたときに、ドラァグクイーン的なライフスタイルは、意外にも相当バランスの取れた、健康的な生き方の一つに成り得るように感じた。釣りバカの収録になぜ呼ばれたのか、という話と、タランチュラを16匹飼っている話が面白かった。後者は特に、人となりがよく出ているエピソードのような気がした。保坂和志は猫、樫村晴香はライオン(実際には飼うところまではいかなかったが、ある時期真剣に飼おうとしていたらしい笑)ヴィヴィアンはタランチュラ。ペットの選択には飼い主人格の特徴がよく表れているように思う。犬飼ってるのはあれだな、とか。

昼食もご一緒させてもらった。三浦和義の話なんかをした。午後は単著を出された先生の取材に同行。ハシムラ東郷という、日本人英語を使って風刺を行うエッセイストが、実は白人男性作家の別名義活動だった云々の話。ミンストレルや、彼の周囲の日系留学生とのかかわりから、ハシムラが誕生するまでの流れや、作者の手を離れ、ハシムラのイメージが様々な場に拡散していく様子などを、カルチュラル・スタディーズの手法で、横断的に調査しきった本。面白そう。あらゆる価値観を相対化し、笑いのめすためには、オルター・イーゴが必要だった、というのがなにより興味深い。町田町蔵しかり、ジョニー・六トンしかり、ミスター・パーカーしかり。最後は違うか。

図書館によって少し本読んで北区。夜は睡眠不足のため12時前には寝た。