2006-10-01から1ヶ月間の記事一覧

山室静 ギリシャ神話 

教養として押さえておかねば、という思いで読み始めたのだが、かなり楽しみつつ読めた。意外だった。 ゼウスをはじめ、神々のしょうもなさが非常に笑えた。例えばゼウスだと、いい女を見つけてはあの手この手を使ってさらって来ては孕ませて、その度に鬼嫁の…

テオドール・サレツキー 「フロイトのセックス・テニス」

斜め読み。フロイト理論をテニスに応用したらどうなるか、という体でひたすら下世話な下半身ネタを繰り返し、フロイトを茶化している、それだけの本。なぜか出版社は青土社。こんなタイプの本も扱ってるとは知らんかった。ウケ狙いで書いてんだろうけど、完…

ポリーヌ・レアージュ O嬢の物語

毛皮のヴィーナスがM男と痴女の組み合わせだったのに対して、本作はその逆。 サディズムやマゾヒズムは振り切れたところまでいくと、本当に恐い。根源的な部分に触れてくるからなんだろうが。 サディズム・マゾヒズムの世界は奥が深すぎて、正直まだ何か知っ…

都築響一 TOKYO STYLE

東京の安部屋ばかりを撮った写真集。 10年以上前の本なんだが、一億総中産階級から格差社会へ、みたいなよく言われてる流れの中に位置づけてみると、色々と考えさせられることの多い本だった。 やれプレカリアートだマルチチュードだ、みたいなこと言っちゃ…

夏目漱石 それから

働いたら負けかなと思っているニートの主人公代助が、友達の嫁に惚れてしまって、それまで有り余る時間を利用して太れるだけ太らせてきた自我、理性を擲ってまで彼女と結ばれようとする、というような話。親の経済援助のお陰で蓄えた知識で家族を見下し、日…

20世紀の美術

有名どころを中心に広く浅く扱っている。大まかな流れは掴めた気がする。当たり前のことだが、何らかの一派として美術界の潮流をくくる際には、批評家の恣意的な選別が非常に大きな影響を持っているんだな、ということを改めて確認できた。〜派といった名称…

園子温 部屋

ほとんど、長廻しと、ミニマルな構成だけに焦点を当てて作られたような映画。最初はすぐ寝てしまうんじゃないかと思って観始めたが、不思議なことに段々と映画のリズムに引き込まれ、さほど退屈せず観る事ができた。 終盤エレベーターを降りるシーンと不動産…

南伸坊 顔

堅苦しさは皆無だが、なかなかハッとさせられる箇所が多かった。 こういうスタンスは大好き。 TVや新聞などのメディアとからめて「顔」を分析しているくだりなんかは、凡百のメディア論関係の本よりよっぽど鋭いこと言ってると思う。 たとえば、実際に見る…