2007-02-01から1ヶ月間の記事一覧

見田宗介 現代社会の理論

ジョナサン・デミ 羊たちの沈黙

アンソニー・ホプキンス演じるレクター博士と、ジョディ・フォスター演じるFBI若手捜査官クラリス・スターリングの駆け引きを中心とする心理劇。なぜか観ていなかったので今更ながら観た。 二人の心理戦がメインということで、バストアップが多用されてい…

瀬々敬久 ユダ

手に入らない「つながり」を求めてさまよう現代の人間達の姿を、DVを用いて、寄り添うような視点から撮った映画。性同一性障害の主人公ユダ、足に障害を持つ美智、銃弾を受けたせいで脳に障害を持つタイチ、三人の物語を美智から「私」が聞く形で映画は進行…

キャシー・カルース トラウマ・歴史・物語

デュラス、レネ「ヒロシマ私の恋人」についての論考、第二章「文字と記憶の上演」は「スローター」なんかともモロにかみ合う問題設定。「狂気から自由になるということは、それゆえ、忘却と等価であり、忘却することで、彼女は正気になり、見ること、理解す…

せきしろ 去年ルノアールで

どうでもいい内容のエッセイで面白さを生むのはなかなか困難なことだが、かなりの高レベルでそれに成功しているように思った。 適当に書いているように見えて、構成や文体は実はかなり計算されているんだろう。 なかでもマクラとサゲの上手さには特筆すべき…

カールハインツ・シュトゥックハウゼン MICROPHONE1

爆音一本目。 銅鑼をこすったり叩いたりして出た音をいじって、エフェクトかけて面白い音を出して、ってのを記録した映画。爆音だから、ってことで上映したんだろう。現代音楽は全く聴かんので良さはよくわからんかった。なんとなくこういう映画流されたらキ…

イエジー・スコリモフスキー The Shout

ラスト四本目。 青山真治のエリエリの元ネタらしい。確かに似すぎ。元ネタというかこれはパクリぎりぎりじゃないのか、というほどに似ていた。ただ、こっちのが百倍ぐらい凄い映画だったけど。 精神病院に収容されているおっさんが語る物語、という体で映画…

サム・ペキンパー ガルシアの首

三本目。 酒場のピアニストペニーが、メキシコの大富豪の娘を孕ませたことで多額の賞金首となっており、自らの恋人エリータの間男でもあった男、ガルシアを追って放浪するロードムービー。この作品も二本目同様、観客を突き放すような描写がキモだった気がす…

ホウ・シャオシェン 憂鬱の楽園

バウス爆音オールナイト二本目。 ヤクザ映画。実の家族が遺産の分配で揉めてギクシャクしている中で、ピィエンはヤクザの世界での兄貴ガオとの方が濃密な関係を築いている、ってあたりはまあヤクザ映画っぽい設定だな、と。 ピイエンが実家のテラスみたいな…

「かわいい」「おんなのこ」嘉陽愛子 超人 ウルフ−保坂 意識の流れ技法 マルケス マジックリアリズム

フランシス・ベーコン

画集を見た。ちょうどたまたまイノケンティウスの叫んでいる画(有名なのか?)がシャウトに使われてたりして、シンクロニシティーを感じたり。美術史的な文脈であるとか、表現の意味といった次元から突き抜けてしまっている感じが非常に好み。もうこうなっ…

ヴァージニア・ウルフ ダロウェイ夫人

蓮見インタビュー

http://flowerwild.net/2006/11/2006-11-08_133443.php あなたがたのサイトに期待したいのはそういうことなんです。「僕はこれを断固支持する、支持するからには最後までそれに付き合う」、そして「それは他の監督をほめるより重要なことだ」という、依怙贔…

ソフィア・コッポラ マリー・アントワネット

なんの捻りもない脚本、明らかに場面とそぐわない音楽、無駄な尺の長さ。これといって見るべきところもなく、どう考えても映画としては駄作だった。 ソフィアコッポラが、もしも私がある日突然マリーアントワネットの立場に立つことになっちゃったらどうしよ…