中沢新一 ポケットの中の神話 ポケモンとこども

ポケモンが最初に流行った頃はちょうど小4で、まさに直撃世代。当時を懐かしみながら読んだ。内容はまあ相変わらずという感じ。手抜き感がなくもない気がしたが。レヴィストロース「野生の思考」とフロイトの理論をベースに、ポケモンを解釈した本。

無意識的なエネルギーの表象であるモンスターを、図鑑という体系にまとめて収集するというプロセスは、無意識的な力と現実社会とを媒介するインターフェイスとしての、言語の力による知的加工の重要性を子供たちに伝えているのだ。とかなんとか言ってた。まああんま真に受けるのはどうか、という感じか。ポケモンの交換が贈与的という部分は納得。その他の部分ではこじつけくさいところも散見された。

当然、この本に書かれているようなことを意識しながら、当時ポケモンをやっていたわけはないのだが、考えてみるとポケモン以外で流行っていた遊びの中にも、例えばマジック・ザ・ギャザリングなど、本書と似たような議論が容易に出来そうなものがある。この事実は中沢の議論がそれほど的を外しているわけではないということを示しているのかもしれない。

マジックは属性に分けられた自然からマナ(≒霊力)を引き出してモンスターを召還するところとか、カード交換に贈与的な面がなくもないところとか、かなり本書の議論をそのまま当てはめられる部分があると思う。思いつきで適当に言ってるだけだが。