Jailbird ヴォネガット

まさに、冒頭毎度おなじみの本編開始前のイントロ部分で出てくる、「愛は負けても親切は勝つ」を体現したような小説。高度資本主義の権化であるコングロマリットRAMJACのトップに共産主義革命の残り火が・・・という話の持って行き方がうまい。読んでてホロリときた。まあ浪花節なんだけど、心を揺さぶられてしまう。この人は、どれだけ斜に構えた人間でも否定しきれない、人間としての最終ラインのギリギリのところだけを常に書き続けているからだろう。おそらく。