『明治・大正・昭和−猟奇女犯罪史−』石井輝男 (69年/東映/92分)

              
  出演:賀川雪絵 由美てる子 藤江リカ
 ※石井輝男が描く血ぬられた五大愛憎事件
  女たちの血の記録がよみがえる

五つの猟奇犯罪を扱ったほぼ完全なオムニバス。阿部定事件の馬鹿馬鹿しい描き方はさすがとしか言いようがなかった。裁判と回想の場面はさほど「愛のコリーダ」と変わらん感じなんだが、導入部に現在も生きていた阿部定さんインタビューと称して、橋の上でババアに当時の思い出を聞くシーンがあったり、事件後フォロワーが何人もあらわれたというエピソードの説明として、なぜかババアがおっさんのアレを切ろうとする場面が出てきたりとか。アホや。吉田輝男が五つの事件を調べているという体で話が進むのだが、五つめのエピソードが終わった後、すごい事件がいっぱいだー時代の闇は恐いなあ、みたいなこと言って唐突に映画が終わってしまうのも脱力ものだった。