『残酷・異常・虐待物語−元禄女系図−』 石井輝男(69年/東映/94分)

              

オムニバスというわけではないが、同時代の江戸での話という設定で、登場人物も重複して登場するものの、事実上三つのパートに別れていた。どうせ一つの話じゃ90分も持たせられなかったんだろう。

一つ目は悪い男に騙されて遊郭に売られた女の悲劇を描いたストーリー。遊郭での女子全裸騎馬戦のシーンは素晴らしかった。腋毛ボーボーの女性が二、三人いたのもよかった。
二つ目はドS女とその従者を巡る物語。女の変態プレイの数々が印象的だった。レイプされかける体でわざと襲わせたりとか、男を馬にして遊んだりとか。黒人を船でわざわざ連れてきてやっちゃうとこが一番ツボだった。
三つ目は所謂大奥もの。狂った殿様という設定を十二分に活かしきっていた。赤い着物着た女たちを牛に襲わせて、脱がないと刺されるぞ!とか叫び、さらに牛だけでは飽き足らず殿様自ら弓矢で女達を殺しまくるシーンとか。何よりラスト医者が腹を切って赤ちゃんを取り出すところの驚異的な適当さが最高だった。短刀で真ん中からブッタ切って皮を左右にべろーん、てアホか!