「11人いる!」「トーマの心臓」 萩尾望都

「11人いる!」
SF長編。設定が見事。中でも成長段階の途中で性別が決まる種族、という設定で、両性的な段階で船に乗り込んでくるキャラクターを巡るストーリーは考えさせらるものがあった。
やはり良質の少女漫画はジェンダーの問題に深く切り込んでくるものが多い。

トーマの心臓

この作品は少年愛がテーマ。ジェンダー的な問題を提起するのはもちろんのこと、セックス抜きで「愛」とは何かを追求している。(イデア論的?)つまりそれこそまさにプラトニックラブなわけだが。ジェンダーの撹乱と性観念の排除、この二つはかなり多くの優れた少女漫画に共通して見られる特徴なのかもしれない。