志村貴子 ぼくは、おんなのこ

短編集。どの作品もそれなりに読ませるが、ある朝目覚めたら、全ての人間の性別が逆転していた、という設定の表題作「ぼくは、おんなのこ」が中でも出色の出来。ジェンダーの問題について色々考えさせられる設定としては、両性具有であるとか、無性、第三の性とか、様々なパターンがあるが、全人類の性別が逆転、というのははじめて見た。今までありそうでなかった設定のような気がする。