深沢七郎 東京のプリンスたち

こんなに思いっきり、ロック音楽そのまんまの小説ははじめて読んだ。
学校も女も親もめんどくさい。タバコの煙が充満するロック喫茶で爆音でエルヴィス聴くのがとにかく最高。そういうこと。

俺達のように、ロックをききながら全身をリズミカルにゆすれば、あんな怖っかない眼つきや、暴力などどこかへ消えてしまうのにと思った。(あいつらは気狂いだナ)と思った。 全集p55

自分のしたいことはエルヴィスの唄をきくことで、「遊んでいる」と言うけど、それがなければ頭も身体もとんがってしまうのだ。暴力など振う奴はミュージックのない奴にちがいない。p70

久々にロックバーに行きたくなった。傑作。