フォークダンス 自縛3

・教習所
どのライブでも一本目は同系統のネタを持ってきているのだろうか。
オーソドックスなスタイルプラス、フリップ芸やカセットテープなどの小ネタ、という構成は自縛1・2の一本目とかぶっている気がした。
それゆえ、もちろん笑えるのだが、まあある意味では変奏曲にすぎないのかな、とも思う。まあ一本目は軽くジャブ的なネタを、ってことだろう、おそらく。


・取調室
これもオーソドックスなスタイル。桶田は凄まじいセンスを持っているのは間違いないが、結構得意の形が決まっているタイプでもあるのかな、という気がしてきた。
まあ裏返しズラしも色々パターン変えてやってるとは思うのだが。
裏の裏をいって突っ込みづらいわ!ってツッコませるところはよかった。

・チューリップ商事
他のどんな場所と比べても、特に「大人」として振舞うことが期待される場である会社において、社員が子供のように振舞ったらどうなるか、という裏返し一本で通すネタ。
どこまで振り切れるか、という点でいうとなかなかのもんだった。村田が一人普通の人間として存在していることで、なんとかネタとして成立していた。ツッコミの位置というのはやはり喜劇を見る第三者、観衆の立場に近いのかな、と思う。


・バリーバ船長と佐伯
五本の中では明らかに最も実験的なネタだった。
コンビがネタを披露するという設定で、どこか不自然なところのあるショートコントが矢継ぎ早に繰り出される。同系統のネタ三つほどで一つのグループを形成し、その中で反復と差異をうまく利用することで、意味不明なショートコントの連続ではない、複雑なおもしろさを持ったネタに仕上げている。自縛2の寸劇パートのネタと似ているようで違う。脱帽。

船長が一度外して下に置いた眼帯をわざわざもう一回つけて、自分達のコントについて一言ぼそっとつぶやく、というブリッジも独創的。

・霊として・・・
特に特筆すべきところはなかった。ただ、村田の死を考えると、死体役が桶田であるとは言っても、葬式のコントってのは見ていて辛い部分もあった。ちょっとセンチメンタルなラストも含めて。