相米慎二 セーラー服と機関銃

基本的にワンシーンワンカットだった。長回しは個人的に大好きなので、本作でもいくつかカメラの動きにハッとさせられるところがあった。
最初に学校に組の車が迎えに来るシーンの、薬師丸ひろこの横移動とか、まゆみさんとバーで落ち合う場面で、鏡に映る二人を捉えていたカメラがゆっくりと引いていく中で、二人の実像が少しずつ映りこんでくるところとか、序盤まゆみさんと自宅でくつろいでいるシーンで、家の外から二人の移動にあわせてカメラがパンして、最初の窓と違う窓から再び二人を捉えるところなんか、すごくよかった。
展開も好み。テーマがどうとかごちゃごちゃ考えずに観れて、わかりやすいしユーモアもあるし。エンターテイメント作品としては文句なし。ラストのモンローのパロディも意味わからんけどよかった。少女から女性へ、ってことなのかな。そのあたり、薬師丸ひろ子のアイドル映画として観ても傑作だと思う。