力道山

伝記的な面も残しつつ、適度に演出を加えてフィクションとしての面白さを出そうとしたんだろうが、いまいち上手くいっていなかったように思う。
おそらく、演出の方向性と合わないということで、描かれなかったんだろうが、力道山の汚さや狡さといった部分をもう少し取り上げてほしかった。そういった面もきちんと描いたほうが、より人間臭さが出て表現が深まったと思うんだが、一生懸命やってるのに周囲から誤解されて、消費され捨てられて、といった彼を憐れむような見方ばかりが強調されていたのは残念だった。
あと主人公の日本語の片言具合がひどくて、肝心の決め台詞の場面で脱力させられてしまうことが多かったのと、そもそも顔が力道山より天龍に見えて仕方がなかったのも、きつかった。