谷岡ヤスジ 谷岡ヤスジ傑作選 天才の証明

部分的に古びているところもあるとは思うが、それなりに笑えた。ただ、この人の魅力を真に味わおうと思ったら、まとまった量を通読するよりは、雑誌連載をチェックする、という形で触れたほうがよかったんだろうな、とは思った。まあ死んでしまってるので無理な話だが。
オチのなさ、展開のなさ、ダラダラと特に何も起きない奇妙な「間」、なんかからは、なんとなく凄さを感じることが出来た。当時は、現在よりそういった方法論が、ラディカルに映ったんだろう。今観るとさほど驚きはないが、先見性があったんだろうな、というのはさほどギャグが古びていないところからわかる。
「村」の世界に関しては、「集団性」の次元をギャグ漫画に持ち込んだ最初の例、ってことだとしたらこれも凄いことだ。