長新太 「てなわけで」 「やわらかい頭」

絵本はあらかた読んでしまったので、漫画のほうも、と思い二冊ほど。

・「てなわけで」
植物や動物、その他のあらゆるものは、人間と同じように生きている。こういったことをアニミズムというのだそうだ。子どもの絵を見ると、こうした表現が多い。小生の発想は、すべてこのアニミズムである。

彼の作風は一言で言えばこの記述に換言されるのではないか。動物やモノに対する態度。
彼の作品の中ではあまり好きなほうではなかった。

・「やわらかい頭」
「レストランへいってみた」が素晴らしい。
「おもたい雲がアタマにあって気分がわるい」男は、「食事でもすればすこしは元気になるかと思い」レストランにやって来る。しかしそのレストランは、サメやエビ、アワビが客を食べる、普通とは反対のレストランなのであった。必死で逃げる男は山の頂上に到り、いよいよ逃げ場もなく、堪忍したところで、「いつもいっしょの雲がやってきてたすけてくれた」。
「すこしくらい気分がわるくても生きていきましょうね。」
「やれやれ。」と男。