福島聡 少年少女 1〜3

少年漫画と少女漫画の間のグレーゾーンを上手く描いている作品が多いことからつけられたのだろうタイトルからして絶妙な、作者のストーリーテラーとしての技量の高さを感じさせる珠玉の短編集。一つ一つの話に一切ハズレがない。アベレージ高すぎ。
細部まで丁寧に書き込まれた画風を含め、時折引いたアングルから風景を切り取ったコマが挿入されるところや、コマごとの視点の動かし方など全体的に映画的な雰囲気がかなり色濃く感じられた。作者インタビューによれば以前は映画監督に憧れていたものの、映画は一人では作れないと気づき方向転換したらしい。なるほど、一人で映画的表現を追求するには漫画ほど適したメディアはないわな、と納得させられるエピソードだった。