三池崇史 極道恐怖大劇場 牛頭

終始、様々な断片に症候の濃厚な徴候が現れていると見せかけて、恐怖を煽っておいて、全部ギャグで落とす、という感じで、なんというか、リンチの映画をもとにコントを作ったような映画でした。とにかくリンチと似た部分が多いのですが、恐怖より笑いが勝っている感じなので、リンチの近作と比べても、この映画はすごく好きです。 11.21

追記
この映画に現れる症候はほぼ完全にリンチと一致しているのだが、三池はそれらをことごとく笑いのめすことで、コメディ色の強い作品に仕上げている。笑いでなんとか恐怖心を慰撫する、というあたり、なんというか精神的な偏りが自分とほぼ一致するので、彼の作品は我がことのように観てしまう。だから好きなんだと思う。たまにこういう真剣に撮った作品がある一方、スピードの「アンドロメディア」とか、あーいう仕事もしている、ってあたりも妙に共感するし。
三池氏単独、と言うよりは「牛頭」、「殺し屋1」で脚本を担当している佐藤佐吉プラス三池で作られた作品が、自分に近いのか。まあどっちでもいいけど。