雑誌立ち読み記録

今日は、佐藤優「獄中記」の神と人間に関する思索、の章を立ち読み。あと「私のマルクス」を適当に流し読み。前者はすごく骨太な感じ。ここまで信念を強く感じる人は今時いないと思う。人気が出るのも納得という感じだった。ドイツ人の思想には病的な面があるように思う、との記述には同意。ただ、神学についてはまるで知識がないので、出てくる神学者や哲学者の固有名すらわからないものが多かった。読書傾向があんまりかぶってないからしょうがないんだろうが、彼の読み方のどこが特徴的で面白いのか、などはあまりつかめんかった。
「汝の敵を愛せよ」という記述は誤解されている、とのくだりが一番読み応えあった。憎悪は何も生み出さない。敵をいかに愛する事ができるか。愛すること、信じること、その作用自体が持つ力を肯定することで、神だの何だのを持ち出さずとも究極的なもの、にアクセス出来る、とか。上手く書けないが。

あと、新潮45、新潮、文学界を立ち読み。新潮45は元気な雑誌だなあという感じ。執筆陣の傾向は一冊見ただけではつかみきれないが、まあなんとなく方向性はわかった。文芸誌もいいなあとは思うが、わたくしの浅薄な知識ではちと厳しいかもしれん。

昨日は、WAVE「ブレイン・エボリューション」より伊藤俊治氏と武邑なんとか氏の対談を読んだ。伊藤氏がジョン・C・リリイ、武邑氏がティモシー・リアリーについて語り、脳、コンピューター、ドラッグに関する議論を展開。伊藤氏がドラッグムーブメントやらハッカー文化やらを生み出したカリフォルニアという場所には、何らかの磁力があるのでは、といった文脈で語っていた話が実に面白かった。曰く、西へ西へと進んでいったフロンティア開拓の終点がカリフォルニアで、そこから西に移動できなくなったフロンティア精神が垂直方向を目指して展開した結果が、宇宙への関心へとつながり、そこから、かの地独特の文化的発展があらわれてくるとか。
伊藤氏がリリイの話を真剣にしていたあたりはやや意外だった。なんでも、ニューエイジ的な文脈とは関係ない面白さもあるらしい。