29日
四限途中から登校。五限後、ゼミの面々と軽く飲んで、品川に移動。別の友人二人と、今更ながらポニョ観賞。当然泣いた。


30日
昼過ぎから教習所へ。仮免試験。会場に到着し、しばし寛いでいると、どこかで見た顔の女性が現れる。なんとK護ちゃんでした。さすがにびっくりした。「一緒に煙草吸わない?」の一言すら口から出てこない自分の情けなさに心底腹が立った。しかも試験も落ちた。二重の恥。もう最低。筆記を受けさせてもらうことすらできなかったので、近くのベローチェでしばし暇つぶし。夕方、必要書類を受け取るため学校へ。図書館でしばし読書。

帰りに恵比寿の本屋に寄り、ユリイカ中上健次特集号と、叶美香さんの「おっぱいにつまっているもの」を立ち読み。

前者は、大和田先生とあずまんが話題にしていた、最後の未完長編「異族」が実に気になった。ただ、どうやら相当冗長な上に異様に長いようなので、よほど暇にならない限り読まないかな、とも思う。

大和田さんの論文で映画と比較されていた部分が、あずまんの用語だと「まんが・アニメ的リアリズム」というやつになるんだろう。「異族」は未読なので完全にあてずっぽうの推理に過ぎないが、個人的には小説ならではの魅力、面白さを追求するとなったときに、そっち方面で攻めてもしょうがないんじゃないのかな、と思う。そこで喧嘩しても、映画や漫画には勝てるはずがない。視覚にかかる比重がどんどん上がり、スペクタクル化が進んでいるという時代の状況に対応する形で文学を変えていこう、とか言ったところで、高が知れているだろう。字は所詮どんなにフォントいじったりしても、視覚で画を超えるインパクトを残せるはずがないし、あえて冗長さを出したり、言葉使いを平板にしてみたり、登場人物の交換可能性を強調したり、とかそういう技巧をこらしてみたところで、読んでて糞退屈だったら、単なるインテリの理論武装用テクストにしかならんだろうし。小説にしかできないことは何か、といえばそれは単純に、絶対に映像化できないような、もしくは、映像化したところで作者独自の書き方のニュアンスをまるで表現できないような文体で書くこと、だと思う。たとえば、吉田健一大先生の「金沢」なんかは、登場人物の交換可能性の強調なんかも交えつつ、どうやっても映像にできるはずのない世界観を創り出すことに成功しているような気がする。

後者は神すぎるエッセイ本だった。叶姉妹は本当に面白い。二人そろってストア派

北区後即夕餉。夜は「笑う犬08秋」を見た。最近の同窓会番組ラッシュは何なんだろう。ボキャブラに続き、ネプチューンの懐かしいネタやら、ウッチャンの魅力が爆発していたあのころのコントの数々を再び堪能した。たくさんネタを収録したらしいんだが、尺が一時間しかなかったのはかわいそうだった。今は長尺のコントでは数字が取れないから枠も一時間、という判断なんだったとしたらとても悲しい。エンタやレッドカーペットよりはコント番組が増えたほうが、視聴者にとっても芸人にとっても健全であることは間違いないんだが、予算の関係なんかもあって、今はコントを撮るにも、DVDの売り上げがある程度計算できないときつかったりするのかもしれない。いくら尺が伸びたからとはいえ、最近の「はねる」で全くコントコーナーがないというのも、もしかしたらお金がらみの事情なのかもしれない。しかし世知辛い世の中だ。


10月1日
昼ごろから内定式に参加。
なぜかそんな日にもかかわらずグループワークをやることに。来年度の就活生に模擬説明会をする的な設定で。優勝チームには豪華賞品をプレゼント、と煽る人事に騙されついつい本気を出してしまい、知性とユーモアと愛にあふれた見事な演説をかまして、大差で優勝したのだが、賞品はDSやiPODとは似ても似つかぬ、しょぼくれた社内製品だった。ショック。ただ、懇親会のときに同期の多くの人から、見直しただのすごかっただの言われ気分良かったのでまあいいかなと思う。よく考えると会うの二、三回目なのに、「見直した」というのはどういうことなんだろう、という気もしないではないが、まあ忘れよう。二次会まで参加。女性に適当にからみ、嫌われて北区。早くも、同期の中では、適当に見えてやるときはやる人、といった非常に便利な立ち位置を獲得しつつあるのは、してやったりという感じ。きっと要領が良すぎるせいで学者とか作家にはなれないんだろうがまあしょうがない。いや学者は要領さえ良ければいけるか。よし学者になるお!
あと、同期のさわやか系男子に、顔が皇太子に似ているとか言われた。何も罵詈雑言を浴びせなかった自分は成長したなあ、と思う。まあうそだけど。


2日
午前中教習。補習的な。めっちゃ怒られた。これはまた明日も落ちるかな。
いったん北区。昼餉の後登校。授業二つに少しずつ出て、五限の友人たちとサイゼリアで夕餉。長話。自分よりよくしゃべる人間に久々に会う。新鮮。ダグラス・アダムス「宇宙クリケット大戦争」をようやく読了。終盤は結構盛り上がる感じだった。再び北区後は、清原引退試合での長渕の「とんぼ」絶唱シーン動画なんかを観たり、日記を久々に書いたり。