叶美香 おっぱいにつまっているもの

・・・シリコン!?というつっこみを期待しているかのような挑発的なタイトルにまず驚かされるが、特に美しさについて書かれている部分を読めばわかるとおり、恭子さんと同様、ある程度体を外科的にいじっているとしても、それ以上に内面からにじみ出る美しさがすさまじいので、一切神経症的な恐怖感に苛まれているようには見えないところが非常にすばらしい。これも恭子さん同様、友達はいない、と断言していることも注目に値する。ようするに、転移を廃したストア派的精神の持ち主であることで、周囲に細やかに気を配り、目を配ることが可能となる。叶だけに。それによって、社交界・芸能界で一定の地位を築くことに成功しているであろうことは疑いの余地がない。すごい。

無類の気遣い好きであること、男性相手にオクテであること、義理堅く、CM出演していたDHCの商品をやたらとプッシュしていること、恭子さんの分も含めてスケジュールやギャランティーの管理をしっかりと出来る常識人であること、なんかは恭子さんとは違った、美香さんの個性(パーソナリティー)と言えそうだ。そして、美香さんはそういった自己のパーソナリティーを熟知し、適度に愛しているため、アイデンティティーを仮構するために、本人の本質とは何の関係もないキャラクターにやたらとこだわる必要も、やたらと周囲に対して攻撃的に振舞う必要もなく、その分のカロリーを周囲に対する気遣いに当てることが叶となるのだろう。

叶姉妹のキャラ作りに関しては、さすがトータルライフスタイルコーディネーターと言うべきか、非常にうまくコントロールがなされており、あまり神経症的な切迫感がないように見える。何より上手いのは、自分たちの虚像を、適度にミスティフィケーションする、ユーモアと知性にあふれた戦略である。人間チェスについての話など、康さん言うところの「虚実皮膜の間」を非常に巧妙にフレームアップした、いまやプロレスラーや格闘家ですらめったにお目にかかれないレベルの、見事な幻想喚起力を持った逸話だと思う。

美香さんのおっぱいにつまっているもの、それは知性と母性愛だ。