ダグラス・アダムス 宇宙クリケット大戦争

一般的な評価は、前二作より若干落ちるかな、という感じだそうだ。
確かに、中盤まではなかなか盛り上がらない感じで、読むペースも一向に上がらず、ページをめくるのが面倒だと感じる瞬間もあった。
ただ、最後の五十ページぐらいは本当にすばらしかった。
特にエピローグに出てくる、「"理由”の話」は、すごくいい。笑えて、泣ける感じだし、なんでも「しるし」に成り得る、というのは、本当に注意して考えなければいけない重大な問題だと思う。恐怖すれすれの、笑いに出来るぎりぎりのところまで行っているところがいい。
こういう背理、逆説を自在に使いこなす感じの論理でもって、評論的な文章を書けるようになりたいなあ、というのが当面の目標かな。目指せ花田で。