29日
二時ごろ起きる。「スチュアート・リトル」を観て少し泣く。シャマランの映画は何を観ても泣いてしまう。夕方から浅草へ。酉の市。会場が浅草寺だと思い込んでいたため、仲見世をぶらつくも、あまりにも人手が少なく、焦る。下手したら普段より空いているのでは、という感じで、三の酉はアンコール、おまけ的な位置づけなのかね、などと同行者と勝手な推理をもてあそんだり。さすがにおかしいと思い、大きな熊手を抱えたおじいちゃんに、どこで熊手を購入したのか尋ねてみたところ、違う寺が会場だったことが発覚。おじいちゃんの指示通り、15分ほど歩いたところで、黒山の人だかりに遭遇。ほっと胸をなでおろす。席のあいていた屋台で、牛すじ煮込み、豚とろ焼き、にごり酒をいただく。数年ぶりに買ったベビーカステラを頬張りつつ、ほろ酔い加減でお寺へ入っていくと、360度どこを見渡しても熊手だらけ、というすさまじい光景に遭遇。売り子の人達が皆一様に大声を張り上げており、熱気むんむん。結局あまりの熱気に当てられ、特に買う予定のなかった、小さな熊手を購入し、帰路についた。すれ違ったお年寄りが、初詣が二回あるみたいでいいわねえ、といったことをおっしゃっていたが、まさに同感。思わず浮かれてしまうような、妙な高揚感があった。近所の飲み屋で行われていたサークルのOB会に一瞬参加して帰宅。すぐ寝ようと思ったら歯が強烈に痛みだし、結局朝方まで寝れず。親知らずかもしれない。

30日
昼から神保町に行こうと思っていたのだが、歯が痛すぎて何もする気が起きず、結局四時過ぎまで寝たり起きたりを繰り返す。ようやく痛みが落ち着いてきたところで起床。近所のギャラリーや図書館をまわろうと思い立ち、日が暮れた頃に家を出るも、こういった日は何をしようとしてもタイミングがずれるものなのか、ギャラリーは定休日、図書館はタッチの差で閉館と、結局どこにも行けず、スクエアでナンバーと残雪の短編をいくつか読み帰宅。夕餉。食後は久々に無益極まりない時間の使い方をしてしまい反省。朝方トビー・フーパーのチェーンソー映画でぎゃーとなってもまだ寝れず、残雪をもう少し読んで寝た。それにしても残雪の紡ぐ文章の奇妙さには驚いた。ずるずる引き込まれてついつい時間を忘れて読み続けてしまった。