マリヴロンの少女 宮沢賢治

5ページぐらいの童話。もともと特別なオンリーワン、と直接言ってしまってはどうしようもないわけだが、ここで宮沢は非常に詩的な表現で同じメッセージを発している。

「〜正しく清くはたらくひとはひとつの大きな芸術を時間のうしろにつくるのです。ごらんなさい。向こうの青いそらのなかを一匹の鵠がとんで行きます。鳥はうしろにみなそのあとをもつのです。みんなはそれを見ないでしょうが、わたくしはそれを見るのです。おんなじようにわたくしどもはみなそのあとにひとつの世界をつくって来ます。そこがあらゆる人々のいちばん高い芸術です。」

こう表現されると、ちょっと信じたくもなる。