実録・外道の条件 町田康

そのへんによくいるような、話の全く通じない人達とのすれ違いぶりをコミカルに描いた短編集。多少は実体験がベースになっているのかもしれない。「耳そぎ饅頭」と同じように、本作の各短編も、それぞれかなり似たようなパターンで作られている。
おそらくやや手抜きをしているのだろうが、この作品集に関してはハズレなしだった。

何よりも、阿呆な人達のふるまいが、常識的範囲からどのようにズレているのかが非常にリアルに表現されているところが素晴らしい。何度も膝を打った。

ボランティアの偽善性への疑問の投げかけ方もよかった。