竹田青嗣 ニーチェ入門

分かりやすく噛み砕かれた表現が使われているため、読みやすかった。非常にわかりやすく、ニーチェ思想の大まかな全容をつかむことができたように思う。
難解でアフォリズム的な文章を原典から引用しつつ、それをわかりやすく言い換えながら議論を進めていく、という方向性は、入門書としては申し分ないもののような気がする。

キリスト教と近代哲学を、全てルサンチマン思想として切って捨てているあたりは、カミュの「シーシュポスの神話」なんかを思い出した。どんな宗教も、近代哲学も、根っこをたどればルサンチマンから出てきているものであり、フェミニズムがブスの理論武装である、というのと一緒、ということがよくわかった。
苦悩−ルサンチマン−三つの推論−ニヒリズム
という帰結を必然的に迎えざるを得ない、というのも説得力あった。
アポロン的、デュオニソス的、という対立はまあありがちな気もしたが、わからなくはない。
ニヒリズムを超克する可能性としての「永遠回帰」と「力への意思」
わかりにくかったが、一番刺激的な部分でもあった。
無理臭いがツァラトゥストラ読みたいはやく