トッド・ブラウニング フリークス

プロットはまあありがちな感じ。フリークスを異質な他者として排除しようとする社会、人間達への批判がメイン。冒頭の説教臭いナレーションはさすがにやりすぎだと思う。いらない。
実際出演しているフリークスの方々には驚いた。両手足のないおっさんが口だけで上手いことマッチに火つけてタバコ吸うところとか、身体の離れない双子の姉妹がそれぞれ旦那つくるところなんか、ユーモアがあってよかった。
彼らはサーカス団に所属して、普通の人間達に笑われることで金を稼ぐしか生きていく道がない、というのはなんとも。自分より劣ったものを見て嗤うというのが、人間の悪しき本質の一つであることは間違いないと改めて思った。小人の男性の煩悶もなんとなくではあるが共感できた。